【要約|嫌われる勇気】人間関係の悩みを克服する思考方法・心理学

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ワタシ

今回は「嫌われる勇気」について言及したいと思います。

読書はちょっとした時に気になる本をちょいちょいつまみ食い的に読み『では業務や身の回りでどう実践すべきか?』という視点でかみ砕き実践知にしようとしています。

今回は『嫌われる勇気』を読んでの気づきと実践観点を簡単にまとめておきたいと思います。

今回のおすすめ図書

「嫌われる勇気」の概要

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とある青年がとある哲人に対して対話する形式で展開する実践心理学の紹介本です。

さすがベストセラーになっただけあって難解な内容が多いはずなのに非常に読みやすく、かつ随所随所で共感ポイントが多く主人公に感情移入してしまいます。

特に人間関係の悩みの全般に対して課題の特定と課題解決の方向性を示しているので非常に実践的であるとも感じる。

「嫌われる勇気」の構成

本書は以下のような構成でまとめられています。

第1夜 トラウマを否定せよ
知られざる「第3の巨頭」
なぜ「人は変われる」なのか
トラウマは、存在しない
人は怒りを捏造する
過去に支配されない生き方
ソクラテスとアドラー
あなたは「このまま」でいいのか
あなたの不幸は、あなた自身が「選んだ」もの
人は常に「変わらない」という決心をしている
あなたの人生は「いま、ここ」で決まる

第2夜 すべての悩みは対人関係
なぜ自分のことが嫌いなのか
すべての悩みは「対人関係の悩み」である
劣等感は、主観的な思い込み
言い訳としての劣等コンプレックス
自慢する人は、劣等感を感じている
人生は他者との競争ではない
「お前の顔を気にしているのはお前だけ」
権力争いから復讐へ
非を認めることは「負け」じゃない第2夜 すべての悩みは対人関係
直面する「人生のタスク」をどう乗り越えるか
赤い糸と頑強な鎖
「人生の噓」から目を逸らすな
所有の心理学から使用の心理学へ

第3夜 他者の課題を切り捨てる
承認欲求を否定する
「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない
「課題の分離」とはなにか
他者の課題を切り捨てよ
対人関係の悩みを一気に解消する方法
「ゴルディオスの結び目」を断て
承認欲求は不自由を強いる
ほんとうの自由とはなにか
対人関係のカードは、「わたし」が握っている

第4夜 世界の中心はどこにあるか
個人心理学と全体論
対人関係のゴールは「共同体感覚」
なぜ「わたし」にしか関心がないのか
あなたは世界の中心ではない
より大きな共同体の声を聴け
叱ってはいけない、ほめてもいけない
「勇気づけ」というアプローチ
自分には価値があると思えるために
ここに存在しているだけで、価値がある
人は「わたし」を使い分けられない

第5夜 「いま、ここ」を真剣に生きる
過剰な自意識が、自分にブレーキをかける
自己肯定ではなく、自己受容
信用と信頼はなにが違うのか
仕事の本質は、他者への貢献
若者は大人よりも前を歩いている
ワーカホリックは人生の嘘
人はいま、この瞬間から幸せになることができる
「特別な存在」でありたい人が進む、ふたつの道
普通であることの勇気
人生とは連続する刹那である
ダンスするように生きる
「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ
人生最大の嘘
無意味な人生に「意味」を与えよ

「嫌われる勇気」本書より
ワタシ

自己中心的でコンプレックスの塊みたいな自分にはグサグサ刺さる内容が目白押しです。(いい意味で)

個人的感銘ポイント

個人的に印象的だったのは以下の点。

感銘ポイント
  • ポイント①:原因論ではなく目的論
  • ポイント②:共同体感覚をもつ
  • ポイント③:勇気づけというアプローチ

順に触れます。

ポイント① 原因論ではなく目的論

まず最初に前提として、「トラウマ」という存在自体を否定します。

アドラー心理学では「すべての結果には必ず原因がある」と考えると、過去の原因によって運命は決まっているという決定論になり、未来を変えることができなくなるとして否定します。

では何が正しいのか?というと原因ではなく「全ての行動はなんらか『目的』があって動いている」という目的論を提唱します。

例えば、”彼は幼少期に○○のトラウマがあるから××をしてしまった”というのは全力で”違う!(゚Д゚)”といいきるわけです。

この点については、初見では

「ロジックなんか変じゃね?」

と圧倒的な違和感をもちました。が、その後の反論や、「実践」心理学という文脈で考えると、納得できるようになりました。

例えば、反例として「親が子供のひきこもりに直面した時」みたいな想定で以下の話が展開されます。

青年 それはもちろん心配しますよ。どうすれば社会復帰してくれるのか、どうすれば元気を取り戻してくれるのか、そして自分の子育ては間違っていたのか。真剣に思い悩むだろうし、社会復帰に向けてありとあらゆる努力を試みるでしょう。

哲人 問題はそこです。

青年 どこです?

哲人 外に出ることなく、ずっと自室に引きこもっていれば、親が心配する。親の注目を一身に集めることができる。まるで腫れ物に触るように、丁重に扱ってくれる。

他方、家から一歩でも外に出てしまうと、誰からも注目されない「その他大勢」になってしまいます。見知らぬ人々に囲まれ、凡庸なるわたし、あるいは他者より見劣りしたわたしになってしまう。

そして誰もわたしを大切に扱ってくれなくなる。……これなどは、引きこもりの人によくある話です。

「嫌われる勇気」本書より

確かに上記の場合、「原因は何か?いじめか?加害者を消せるか?」みたいな原因を潰すことを考えてしまいそうなものです。

ただ、起きた原因ではなく、今起きている行動の目的(丁重に扱ってもらいたい)に注目して、それをどう替えるかというアプローチはなるほどという感じでした。

ポイント② 共同体感覚をもつ

ここは分かりやすいように見えて、実は全く意味不明だと思ったところです。そもそも単語の名称からしてヤバそうな雰囲気がにじみ出ています。

ただ、キーになる概念っぽいので、自分なりに考え租借して一旦先に進み、また何度も立ち返って思考するべきところなのかなと思います。

共同体感覚の定義については以下のような対話がなされます。

哲人 以前、他者のことを「敵」と見なすか、あるいは「仲間」と見なすのか、という話をしましたね?

ここでもう一歩踏み込んだところを考えてください。もしも他者が仲間だとしたら、仲間に囲まれて生きているとしたら、われわれはそこに自らの「居場所」を見出すことができるでしょう。

さらには、仲間たち──つまり共同体──のために貢献しようと思えるようになるでしょう。このように、他者を仲間だと見なし、そこに「自分の居場所がある」と感じられることを、共同体感覚といいます。

青年 いったいどこが議論の分かれる話なのです? 至極まっとうな主張じゃありませんか。

哲人 問題は「共同体」の中身です。あなたは共同体という言葉を聞いて、どのような姿をイメージしますか?

青年 まあ、家庭や学校、職場、地域社会といった枠組みですよね。

哲人 アドラーは自らの述べる共同体について、家庭や学校、職場、地域社会だけでなく、たとえば国家や人類などを包括したすべてであり、時間軸においては過去から未来までも含まれるし、さらには動植物や無生物までも含まれる、としています。

「嫌われる勇気」本書より

前半の納得感は非常にあるのですが、後半のぶっ飛び具合がもうやばいです。何を言っているのかと。

ただ、下記、かみ砕いて解説される中で「何となく」分かったような気になれます。ポイントは自己への執着をなくすという点です。

哲人 では、具体的に考えていきましょう。ここではわかりやすく、「自己への執着」という言葉を、「自己中心的」と言い換えます。あなたの頭のなかにある自己中心的な人とは、どんな人物でしょうか?

青年 うむ、まず思い浮かぶのは、暴君のような人物ですね。横暴で、他人の迷惑など顧みず、自分の都合しか考えない。世界は自分を中心に回っているのだと考え、権力や腕力に任せて、専制君主のように振る舞う。周囲にとっては、迷惑甚だしい人物です。ちょうど、シェイクスピア劇のリア王などは典型的な暴君タイプでしょう。

哲人 なるほど。

青年 一方、暴君ではなくとも、集団の和を乱すような人物もまた、自己中心的といえます。集団行動ができず、単独行動を好む。遅刻をしたり約束をすっぽかしても反省しない。ひと言でいえば自分勝手な人物ですね。

哲人 たしかに、自己中心的な人物に対する一般的なイメージは、そのあたりでしょう。しかし、もうひとつのタイプを付け加えておかねばなりません。じつは「課題の分離」ができておらず、承認欲求にとらわれている人もまた、きわめて自己中心的なのです。

青年 なぜです?

哲人 承認欲求の内実を考えてください。他者はどれだけ自分に注目し、自分のことをどう評価しているのか? つまり、どれだけ自分の欲求を満たしてくれるのか? ……こうした承認欲求にとらわれている人は、他者を見ているようでいて、実際には自分のことしか見ていません。他者への関心を失い、「わたし」にしか関心がない。すなわち、自己中心的なのです。

青年 じゃあ、わたしのように他者からの評価に怯えている人間もまた、自己中心的だというのですか? これほど他者に気を遣い、他者に合わせようとしているのに!?

哲人 ええ。「わたし」にしか関心がない、という意味では自己中心的です。あなたは他者によく思われたいからこそ、他者の視線を気にしている。それは他者への関心ではなく、自己への執着に他なりません。

青年 しかし……。

哲人 以前、わたしはいいました。あなたのことをよく思わない人がいるのは、あなたが自由に生きている証なのだ、と。もしかするとそこに、自己中心的な匂いを感じられたかもしれません。ですが、いまの議論でおわかりになったでしょう。「他者からどう見られているか」ばかりを気にかける生き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルなのです。

「嫌われる勇気」本書より

こちらはフムフムと読んでいきつつも、段々と自分自身に対して「お前こそが自己中心的な人間の代表格だ!共同体感覚を持て!」と痛烈に否定される気分になり、ぐぬぬ…となりました…orz。

この後にも繋がりますが、自己中心的なパラダイムをもっているとこの共同体感覚も持てず、課題の分離ができず、ひたすら人間関係で悩み続けるということが展開されます。

ポイント③ 勇気づけというアプローチ

恐らくここが最も、実践的なハウツーの部分。介入ではなく、援助せよ!という主張がなされます。

哲人 なぜ人は介入してしまうのか?その背後にあるのも、じつは縦の関係なのです。対人関係を縦でとらえ、相手を自分より低く見ているからこそ、介入してしまう。介入によって相手を望ましい方向に導こうとする。自分は正しくて相手は間違っていると思い込んでいる。

勿論ここでの介入は、操作に他なりません。子供に「勉強しなさい」と命令する親などは、まさに典型です。

本人としては善意による働きかけのつもりかもしれませんが、結局は土足で踏み込んで、自分の意図する方向に操作しようとしているのですから。

青年 横の関係を築くことができれば介入もなくなる?

「嫌われる勇気」本書より

このように、縦の関係を全否定して横の関係を築くアプローチを強く推奨します。

そして、これの前提に「課題の分離」ということがあります。これは何かというと、目の前の課題は誰の課題なのかを明確にしてとるべき行動を考えるという考えです。

例えば、親が子供に勉強してほしいのは、本来子どもの課題であって、子供が自発的に動けないことに課題があるわけです。

つまり、自分の課題と他者の課題とを分離して考える必要があり、他社の課題解決を考えると必然的に横の関係から助言(援助)するアプローチになるはずという論調です。

そして更に続くのがこれ

哲人 強制ではなく、あくまでも課題を分離したまま、自力での解決を援助していきます。

「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」という、あのアプローチです。

課題に立ち向かうのは本人ですし、その決心をするのも本人です。

青年 褒めるのでもないし、叱るのでもない?

哲人 ええ、ほめるのでも叱るのでもありません。こうした横の関係に基づく援助のことを、アドラー心理学では「勇気づけ」と呼んでいます。

「嫌われる勇気」本書より

上記のように縦ではなく、横から、教え込むのではなく、促していくという、ティーチングでなくコーチングみたいな話に捉えられます。

確かに仕事のことを考えても、この勇気づけアプローチがうまくできる上司と、トップダウンで支配しようとする上司であれば、個々人の課題解決力の向上に差がでるのは明確で納得です。

ただ、論じるのは簡単で、実践は難しい領域だとおもってもいます。ポイントは

褒めるのも叱るのもダメ

という思想です。これは結構他にはない提言だと思います。問題なのは縦の関係を前提にしているからです。

ただ、この点においては、個人的には、右も左もわからない幼児などにそのまま適用するのも、”うーん…”と思ったりもします。

というのも、そもそも意思決定できるだけのスキルがないため、ある程度は縦で導く必要性もあると感じるからです。

そのため、子どもと対峙する親の場合、生活指導的なことと、この勇気づけのアプローチのバランスはを考えるのが現実的な気がします。

ただ、バランスが大事とはいえ、教える側に立つと、往々にして縦の関係を志向な気がするので、このアプローチは常に頭にいれておきたいと思います。

結論として今日から意識すべきことは以下の3点です。

すぐできる勇気づけ
  1. 他者を評価しない(分けて考える)
  2. 褒めたり叱ったりしない (上から見ない)
  3. 感謝や素直な喜び、お礼の言葉を伝える

とてもシンプルでわかりやすいです。まずはここを家庭でも職場でも実践したいとおもいます。

まとめ

上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点。

感銘ポイント
  • ポイント①:原因論ではなく目的論
    ▷問題が起きている原因に注目せず、行動の裏の目的に注目する
  • ポイント②:共同体感覚とは
    ▷共同体の中の一員として貢献しつつ自己中心の考えから脱却する
  • ポイント③:勇気づけというアプローチ
    ▷縦ではなく横の関係で、ほめず叱らず、感謝と喜びを伝える

色々激しく共感するところもあれば、本当か??と思うところもあったりしますが、総じて、「自立を促すための手段」としての心理学であると考えると若干感じる違和感にも、全て合点がいきます。

実践的かつ自分の中(目的や意思)に全ての原因があるとしてそこを変革いて自立していくというアプローチは7つの習慣に近い印象を持ちます。

毛色は違えど、自己啓発本のど真ん中の本でありましたが、人間関係で悩みがちな人全般にオススメしたい本ですね。

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ご精読頂きありがとうございました。
m(_ _)m