【要約|二宮翁夜話】日本の偉人から学ぶ、現代でも通用する正しい生き方とは何か

名著・ビジネス書
ワタシ

ども、らーにゃです。今回は「二宮翁夜話」について言及したいと思います。

正しい生き方とはどんなものか?

これをパッと答えられる人は少数派だと思います。

また、意識したところで、中々自分の言葉で言い表すことは難しいです。

この点、この難しいお題を考える際には、偉人の伝記を読むことをオススメします。

過去の成功者・成功例を見ることで思考の整理がしやすく、そして参考点が多く学びがあります。

そのため、本書では、日本人であったら誰でも読んでおきたい、二宮尊徳の伝記(教え)である二宮翁夜話について触れていきます。

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「二宮翁夜話」の概要

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二宮尊徳思想をわかりやすく噛み砕いてくれている書です。

二宮尊徳(二宮金次郎)を「歩いて本を読む像の人」しか思い浮かばない人であれば、この本は読むべきだと思います。

論語のように、抑えるべ教訓を並べて、一つ一つ丁寧にかみ砕いて解説してくれる。

噛み砕く中でエピソードを交えたり、机上の空論にならない点でもスッと腹落ちしやすい内容です。

「二宮翁夜話」の目次

本書は以下のような構成でまとめられています。

巻の一
巻の二
巻の三
巻の四
巻の五
『夜話』あとがき

「二宮翁夜話」本書より

カテゴリーごとに体系化されているわけではないですが、巻ごとに教訓が40~50くらいまとまっています。

ほとんどの教訓において「翁は言われた…」と伝聞調ではじまり、口語でのエピソードが多く散りばめられているためとても読みやすいです。

また、体系化されていないが故に、気になった時に、気になったところからつまみ食いすることも問題なくできます。

どれも読んでいて心に染みる教訓揃いなので、毎朝一つ読むなど、この書籍の活用方法は色々あると思います。

ワタシ

私は休日の朝などにつまみ食いするみたいな使い方をしております。

個人的実践ポイント

上述の通り、本書では二宮尊徳の教えをエピソードベースで取り上げつつポイントを記載していくものになっています。

そのため、随所にポイントになることが多く出てくるわけですが、個人的にこれは抑えておきたいとおもったポイントは以下の通りです。

感銘ポイント
  • ポイント①:物欲にかられずまずはコツコツと
  • ポイント②:貧乏神に祟られる所以とは
  • ポイント③:移り気な性質は破滅への道

順にふれていきます。

ポイント① 物欲にかられずまずはコツコツと

まず、本書内容に入る前からこのような文言がある。

「一汁一菜」と「木綿着物」さえあればそれで十分、天は決して働くものを見捨てることはないと固く信じていた。これも彼の零体験から得た確信である。

もし天が人間に保証する分度以上を望めば、そこに他人との争いや脅迫詐欺など醜い悪徳の修羅場が展開する。

そんなことよりも、物を育て、こつこつと努力して得られる点よの喜びを得受けた方がどれほど人生を豊かにし、楽しいものするか計り知れない。この哲学は少年時代の体験によって新年にまで昇華していたものであった。

「二宮翁夜話」本書より

何かというと、必要以上に物欲にかられて物が多くあっても幸せにならないよ。そこをわきまえよう。という教訓です。

これは現代におけるミニマリスト的発想にも通ずるものがあります。

モノに囲まれるほどに、今度はそのモノを手入れしなくてはいけない、なくしたくない・壊したくないなど余計な邪念が増えます。

で、あるならば必要最低限を見極めて、それで満足する思考・行動をとるべきだという指摘がなされます。

この点、二宮尊徳の思想として「分度」という考え方があります。

誤解を恐れずにシンプルにいうと「分をわきまえろ」的な発想です。

一般人であったら一般人としての質素な暮らしをするべきで、倹約中心にすべきということです。

関連することで、以下のようなくだりがあります。

富者でありながら、みな十分であることを知らずに、あくまでも利をむさぼり、不足を唱えるのは大人が、湯船の中に立って、屈まないで湯を肩にかけて、「湯船がはなはだ浅い。膝にも達しない」と罵るようなものだ。

もし湯をその望みのように深くすれば、小人・童子は入浴できないだろう。これは湯船が浅いのではなく、自分が屈まないのが過ちである

「二宮翁夜話」本書より

これはもう本当に仰る通りなわけです。

自分は既に事足りていることをまず自覚するべきで、風呂が狭いから風呂を大きくしたいと不満をいうのはおかしな話なわけです。

狭い風呂なのは、その規模の風呂がある部屋しか借りれない所得だからであり、背伸びをして風呂を大きくするのではなく、狭い風呂に自分を合わせろという話です。

また、後半部分の「コツコツと努力して~」のくだりは、「積小為大」という骨格となる思想につながるものです。

これは簡単にいってしまうと「チリも積もれば山となる」みたいな内容で、日々の小さな努力や節約が何よりも大事という教えです。

およそ小人の常で、大きな事を欲して、小さなことを怠り、できがたいことを心配して、できやすいことを務めない。それで、結局は大きなことができないのだ。大は小を積んで代になる事を知らないからだ。

例えば、百万石のコメと言っても粒が大きいわけではない。漫歩調の多を肥やすのも、その作業は人喰わずつの仕事である。

千里の道も一歩ずつ歩んで到達する。山を作るのも一もつこの土からなることを良く知って、よく励んで庄司を務めたならば、大事も必ずなるだろう。

「二宮翁夜話」本書より

どんなことでも、目の前のことをスモールステップで始めない限り望むような結果には近づかないわけです。

これは今も昔も変わらない全ての真理ですね。

贅沢が過ぎている現代においては、おしゃれをしたり、何かと物欲にまみれていますが、本来的に生きることを考えると過剰であるという点が分かります。

究極的には死なない程度に米をくい、服をずっと着続ける(持たせる)という最低限の生き方を心得るのは生き抜くためには必要な考え方ですね。

また、個人的にはこれは早期リタイアを果たすための考え方「FIRE」にとても近い考え方だとも思います。

支出額を極限まで減らすことが出来れば、貯金を元手にした長期の資産運用の利率だけで生活が回せます。

そうなれば、基本的に借金やらローンやらで悩む必要もなく、奴隷のように働く必要もなくなるわけです。

とにかく倹約をして、必要最低限で生きる術を手に入れられれば、人生上がりの状態に限りなく近づくというわけです。

ワタシ

これは言うはやすし行うは難し、無意識に飲料を購入するのとかもNGですからね。

ポイント② 疫病神に祟られる所以とは

もう一つ、現代でも意識しないといけないと思ったのがこれです。

整理・整頓の考え方です。

本書では以下のような指摘がでています。

貧乏を逃れようと思うなら、まず庭の草を取り、家屋を掃除しなさい。こう不潔では、、また疫病神もとまりにこよう。

よく心がけて、貧乏紙や疫病神にはいれないように掃除をしなさい。家に汚物があれば糞蠅が集まるように、庭に草があれば、蛇蝎が喜んで住む。

肉が腐って蛆が生じ、水が腐って孑孑が生ずる。だから、心身が汚れれば罪悪が生じ、家が汚れれば病気が起きる。恐ろしいことだ。

「二宮翁夜話」本書より

個人的に疫病神というと桃太郎電鉄のボンビーを思い浮かべてしまうのですが、

これはゲームでも現実でも共通するのは疫病神に祟られるのは運が悪いとかそういう理由ではないということです。

つまり、疫病神に祟られるのであれば祟られる所以があるということです。

上述の通り、掃除・整理・整頓をしないから、虫が沸いたり病気をしやすくなったりするという因果応報なわけです。

そのため、不運なことが起きた時も、その事実を呪うのではなく、何等かの因果があると考えて、分析志向をもって次の行動に活かさないといけないわけです。

これを運が悪いとぼやくようであれば、一生その負のスパイラルが抜け出せないワケです。

この真理に気づいた上で、まずやるべきことは身の周りのことにおける整理・整頓などです。

この点においては主に工場の生産性向上で語られることの多い5Sの活動も参考にできることが多々あると思います。

併せて確認し、応用していきたいですね。

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ツマ

20代であっても将来のことは早くに考えはじめて損はないよね。

ポイント③移り気な性質は破滅への道

そして3点目が自分の生き方についての考え方です。

この部分は捉え方によっては上記の2点と比べ、少し考え方的なことなので抽象的なことになります。

何かというと、自分の本分は何かをよく考えて全うせよという考え方です。

これは何かというと、以下の内容が分かりやすいです。

今の暑気の季節にたとえてみれば、ミミズが土中の熱さに堪えかねて、土中は甚だ厚い、土中の外に出れば涼しいところがあろ、土中にいるのは馬鹿げている、と考えて地上に出て、照り付けられて死ぬのと同じだ。

もともとはミミズは土中にいるべき性質のもので、土中にいるのが天分だ。だから、どんなに厚くても外を願わず、自分の本性に従って土中に潜んでさえいれば、無事安穏であるのに、

心得違いをして地上に出てきたのが運の尽きで、迷いから禍を招いたものだ。

「二宮翁夜話」本書より

これも結構似たようなことはあると思います。

今の境遇に愚痴をこぼして隣の芝が青く見えて、飛び出したものの、こんなはずではなかった…みたいな話です。

現代においては、深く考えずに転職してジョブホッパーになるなんていうのは典型な気がします。

転職自体は悪いことではないですし、むしろ人材の流動性が高まる現代ではむしろ加速するはずです。

ただ、今の環境が嫌だから、とか、あっちの方が楽そうだから、といった楽をしようとする動機の場合、結果的に破滅の道に繋がります。

客観的に見て、今までの環境の方があっていたのではないかということもありえるわけです。

そのため、「客観的に見て、自分の本分は何か?自分は何を求められているのか?」この視点は常にもちあわせて、くれぐれも自分よがりな意思決定は避けないといけません。

この点は、「社会に何を求められているか」を自問自答する下記のフランクル心理学に近い感覚をもちます。

■ご参考リンク(フランクル心理学とは)

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ワタシ

フランクリン博士の夜と霧の極限状態での教訓と、二宮尊徳の幼少期の過酷な環境での教訓は近しいものを感じます。

まとめ

上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点です。

感銘ポイント
  • ポイント①:物欲にかられずにまずはコツコツと
    ▷自分の身の丈をわきまえた”分度”を意識して生活する必要がある
  • ポイント②:疫病神に祟られる所以とは
    ▷疫病神は身から出た錆、日常でも5Sの活動を心掛ける
  • ポイント③:移り気な性質は破滅への道
    ▷自分本位だと身を亡ぼす、社会に何を求められているかを考える

今回はごくごく一部しか触れていませんが、人としての生き方、日本人としての生き方のポイントが詰まった一冊です。

また、本を読んでいく中で、偉人が偉人たる理由も非常によく理解できます。

今後も先行きが見えず、どんどん不確実な世の中になる中で、どのように生きていくべきか自分の頭で考え抜く必要があります。

今後の生き方や日々の過ごし方について漠然と思考を巡らすことがある人には特にオススメしたい一冊です。

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ご精読頂きありがとうございました。
m(_ _)m

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