【要約|ALLIANCE】アルムナイ・パラレルキャリアを支える仕組

リスキリング

今回は「ALLIANCE」について言及したいと思います。

読書はちょっとした時に気になる本をちょいちょいつまみ食い的に読み、なるべく業務でアウトプットできるよう実践知にしようとしています。

今回は『ALLIANCE』を読んでの気づきと実践観点を簡単にまとめておきたいと思います。

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今回オススメしたい書籍

「ALLIANCE」の概要

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本書籍では現代の組織の在り方が述べられています。

特に近年よく話題にあがる「アルムナイ」という企業の卒業生とのコネクションがなぜ必要なのか、そしてどうあるべきかが詳しく書かれております。

普段感じる組織の閉塞感の問題点と解決策としての方策が記載されているのでスッキリします。ある程度組織に影響力を持つ中堅社員以上は読むべきかと思います。

「ALLIANCE」の目次

本書は以下のような構成でまとめられています。

1 ネットワーク時代の新しい雇用―職場に信頼と忠誠を取り戻す「アライアンス」とは

2 コミットメント期間を設定しよう―アライアンスは仕事の内容と期間を定める

3 コミットメント期間で大切なもの―社員と会社の目標および価値観をそろえる

4 変革型コミットメント期間を導入する

5 社員にネットワーク情報収集力を求める―社員を通して世界を自社内に取り込む

6 ネットワーク情報収集力を育てるには―社員の人脈を伸ばすコツと戦術

7 会社は「卒業生」ネットワークをつくろう―生涯続く個人と会社のアライアンス関係

8 「卒業生」ネットワークを活かすには―効果的に導入するためのコツとテクニック

「ALLIANCE」本書より
ワタシ

今後の組織論・キャリア論の在り方を提示してくれる一冊ですね。

個人的実践ポイント

全体を通じて気づきの多い書でしたが、特に印象的だったのは以下の点です。

感銘ポイント
  • ポイント①:組織は家族ではなくチーム
  • ポイント②:誠実な対話を通じて信頼関係を築く
  • ポイント③:卒業生ネットワークの構築

この後順に触れます。

ポイント① 組織は家族ではなくチーム

まずは個人的に一番共感したのはか会社は「家族」ではなく「チーム」であるということです。

私の今までの人生でも「家族みたいな組織にしたい」というフレーズは耳にする機会がなんどかありましたが、その都度、強い違和感を感じていました。

この言葉を聞くたびに「きっとこの人は家庭環境に恵まれずに強いあこがれがあるのだろう」と穿った目でしか見れなくなります。

しかし、今までの日本の企業は家族経営みたいにいわれるため、もしかしたら上記が当たり前だったのかもしれません。

ただ、どうにも感覚的に受け入れにくいのです。では、なぜ違和感を感じるのか?実はこの部分はあまり深く考えたことはありませんでした。

本書ではまずそこからメスをいれていきます。それでは何が違うのか?結論から言うと

所属組織を乗り換えても乗り換えなくてもよく自由に選択できる

という側面ですね。

つまり、上記の発言は自由な選択の権利を無理やり潰して自分だけの帝国を創りたいという風に見えてしまいます。

では、組織はかくあるべきか?

ここで出てくるのが家族ではなく「チーム」という考え方、個人的には部活に近いです。

退部するのも入部するのも自由、スタメンになれるように頑張って、力を合わせて高見を目指す青春そのものですね。

思いやりや信頼、そして敬意をもって繋がったチームに組織や企業活動が昇華できればとてもハッピーですし、そこを目指すべきだと思います。

そしてそこに普段自分たちでやっていると見えない視点をくれるOB・OGという指導者・意見者がくればより、チームは活性化します。

ではこのコミュニティをどう創っていけばいいか?、それが本書籍の起点になります。

ワタシ

俺らは家族だ!というフレーズの違和感がやっと言語化できました。

ポイント② 誠実な対話を通じて信頼関係を築く

そして2つ目がこのコミュニティ作りの一番の核になるのが「誠実なコミュニケーション」です。

これは何かというと、徹底的にメンバー視点であり、組織都合ではないということです。

例えば人事面において「いずれ転職することを前提に、メンバーの成長支援を考える」ということなどがあげられます。

これが家族経営の場合どうなるのか。

まず、基本的な価値観が組織存続が優先順位1になる考え方・思考になります。

そのため「転職=悪、絶対に転職させないように止める、組織最適化した能力向上を求める」という発想になります。

その結果、関わる人がその組織でしか生きられない、組織最適化された超依存型人間になり、価値観が染められるわけです。

これが表向きはキレイな家族経営という言葉の裏の宗教染みた気持ち悪さの要因かなと思います。

そのため、誠実なコミュニケーションで接して一人一人と対話して深めることで強いコミュニティーの基盤が出来ると思います。

本書でも、「この会社はいずれ辞めるだろう」と認識することが、実は相手から信頼を得るベストの方法であり、優れた人材に会社にとどまろうと思わせる関係を育てるベストの方法である。

という一見矛盾した真理が説かれており、非常になっとくしました。

また、グーグルやリンクトインなどのスーパー企業で共通するのがコミットメントという考え方もこの文脈になります。

これは何かというと、一人一人にキャリアの役にたつような面談・対話の機会が用意されており、

「この会社で働き何を学び、その後会社を退社したら何をしたいのか」ということを問うてその機会を提供するということです。

ここで上記の誠実さをもってone-to-oneの対話ができれば相談を受けた人も自分のために、ひいては組織活性化のために色々と全力を尽くそうと思うわけです。

部活で言い換えれば一流のメジャーリーガーになりたいから死ぬほど頑張って、その結果、チーム全体が強くなるみたいなアプローチですね。

これはとても理にかなっているしwin-winな気がします。

ワタシ

上辺でなく本当に自分の成長に関心を寄せてもらえれば頑張りたいという想いは自然と出るきがします。

ポイント③ 卒業生ネットワークの構築

そして最後に、OB/OGとの関係性です。

まず、卒業生ネットワークという言葉はあまり耳にする機会がありません。

国内であれば、慶応の三田会ネットワーク、リクルートの元リクのネットワークくらいしか耳にしません。

実際に会社として公式に「卒業生」ネットワークを運営しているのは、調査対象会社のわずか15%程度とのことです。

これはもったいないと思っており、上記の視点でOB/OGが良い意味で幅をきかせて色々と次の挑戦の手助けをするというのは非常に合理的です。

企業にとってもメリットですし、フリーランスなど個人になった卒業生にとっても大企業ならば大企業なだけ、そこでのコミュニケーションはメリットがあると思います。

また、本書では、卒業生ネットワークの構築は最もROIが高い打ち手であると同時に、卒業生はブランド・アンバサダーであるとも言い切っています。

つまり、卒業生との関係性を構築するのは多面的にメリットがあるわけです。

ではどうやっていくのか、ここでは大きく下記のステップで示されています。

  1. 卒業生ネットワークの参加者を決める
  2. ギブアンドテイクの中身をはっきりさせる
  3. 退職手続きを見直す
  4. 現役社員と卒業生を繋げる

また、②に関してはさらに細分化されており、具体的には以下のような打ち手の案が記載されています。

  • 紹介ボーナスを出す
  • 割引制度や優先使用権を付与する
  • 自社主催のイベントに招待する
  • 名誉卒業生の公認制度を持つ
  • 最新情報を知らせる

上記のようなメリットがあることで初めて、卒業生たちも古巣に何か還元しようという意識もうまれてwin-winになっていくとされています。

当然、会社の社員にしかメリットがなければ相互に支え合う関係性は築けませんので、上記を意識しながら卒業生との関係性も創りたいものです。

ワタシ

まずは所属チームのアルムナイのネットワークづくりからですかね

まとめ

上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点。

感銘ポイント
  • ポイント①:組織は家族ではなくチーム
    ▷目指すべき組織は帝国づくりではなく部活づくり
  • ポイント②:対話を通じて信頼関係を築く
    ▷転職することを前提にお互いの能力開発支援が出来るかどうか
  • ポイント③:卒業生ネットワークの構築
    ▷企業も卒業生もwin-winになるアルムナイ組織の立てつけを考える

上記のように、今後どのような組織を目指すべきかを明示してくれている良書だと思います。

チームの中でも卒業生との間でも良い関係性を築き、お互い高め合う環境が整えばどのような職であれ、常に前向きになれる仕組みが出来ると思います。

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ご精読頂きありがとうございました。
m(_ _)m