【要約 | 行動を変えるデザイン】商品設計をする際に留意しなければいけないポイントとは

名著・ビジネス書
ワタシ

ども、らーにゃです。今回は「行動を変えるデザイン」について言及したいと思います。

商品開発部門で意識しなければいけないことは何か?

サービスを使ってもらうユーザーやクライアントに対してどのようにサービスをブラッシュアップして改善するかを検討して実践する義務があります。

じゃぁ、何をやりゃいいのか?

ユーザー視点、顧客視点が大事みたいなことを記載する書籍は吐いて捨てるほどありますが、具体的にどう商品設計をすればいいのか。

具体論を記載している本はありそうで意外となかったりします。

この点、この書籍では商品設計の観点、とりわけユーザーをどのように意図した行動に結びつけるかの設計デザインについて網羅的に記載されています。。

そのため、どのようにしてサービスを設計して改善するべきか商品設計する人は常に手元に置いておきたい一冊です。

新たなサービスを設計したり俯瞰してサービスを管理している人にオススメしたい一冊です。

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今回オススメしたい書籍

「行動を変えるデザイン」の概要

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プロダクト創りにおいて、何に留意して、どのようなプロセスを踏めばいいかを言及したプロダクトマネジメントに関する書籍です。

「行動を変えるデザイン」の目次

本書は以下のような構成でまとめられています。

非常に細かく詳細に記載されており良い意味で教科書的な内容です。

第Ⅰ部 心の働きと行動変容を理解する
 第1章 心は次にやることをどうやって決めているのか
 第2章 なぜ他でもないその行動をするのか
 第3章 行動を変える戦略繰り返す行動を自動化する

第Ⅱ部 適切な成果、行動、アクターを見つけ出す
 第4章 何を達成したいかを明らかにする
 第5章 適切なターゲットアクションを選択する

第Ⅲ部 コンセプトデザインをつくる
 第6章 行動を構造化する
 第7章 環境を構築する
 第8章 ユーザー自身を準備する

第Ⅳ部 インターフェースをデザインし、実装する
 第9章 コンセプトデザインからインターフェースデザインへ
 第10章 インターフェースデザインを見直す
 第11章 デザインからコードへ

第Ⅴ部 プロダクトを改善する
 第12章 効果を測定する
 第13章 行動の障害を見つける
 第14章 プロダクトを学び、改善する

第Ⅵ部実践に投入する

 第15章 ケーススタディ・よくある質問
 第16章 結論

ワタシ

目次を読み込むだけでも留意すべき観点が体系化されており学びになります

個人的ポイント

上記で示した通り、非常に網羅的に記載があるので、目次を読んでいるだけでも、何をどの順番で考えるべきかがわかり学びが多いです。

非常にボリューミーな内容ですが、この中でも特に個人的にこれは実践せねば!と思った内容を下記にまとめていきます。

感銘ポイント
  • シンプルで当たり前なことが大事
  • ユーザー行動を定義するCREATEのモデル
  • ビヘイビアプランとチート戦略

順にふれていきます。

シンプルで当たり前のことが大事

本書ではユーザーに”当たり前のように”使ってもらうためにはどうすればいいかという視点で各種の原則原理を言及しています。

心理学や行動経済学の研究は、総じていえば、粗末にも見える単純なことが実は行動を大きく左右している、という教訓をテーマにしている。

今まで言及してきたような様々な理由、例えば、環境がわたしたちの別の顔を呼び覚ましたり、考えることを手抜きにしたり、楽な選択肢を選ぼうとしたりすることが、行動に強く影響している。

しかし、そのような原理以外にも、本当に大事な当たり前の6つの基本を確認しておきたい。

これらは成果に大きく関するが、ソフトウェアを作っていると、当たり前すぎてついつい忘れてしまう。

『行動を変えるデザイン』より

ちなみに、上記の『本当に大事な当たり前の6つの基本』というのは下記の6点です。

当たり前の6つの基本
  • やはり簡単なのがいい
    ▷シンプルなものの方が離脱が少ない
  • やはり慣れているほうがいい
    ▷単純接触回数がスキルや自己効力感に繋がる
  • やはり、きれいなのがいい
    ▷目に優しい方が心地よく感じる
  • リワードがあった体験は、繰り返したくなる
    ▷何等か報酬があれば宇繰り返しやりたくなる
  • やっぱり失敗したくない
    ▷成功体験を助長するものでないとやらない
  • 急ぎのことをまずはやりたい
    ▷喫緊の課題に対する行動を行いたい

上記を全てひっくるめて本書では「シンプルで当たり前なことが大事」と言及しています。

確かに、シンプルイズベスト!という言葉がありますが、理由を考えてみると納得がします。

例えば、Apple製品などを思い浮かべても、こういう原理原則が全て網羅されているような気がします。

イケてる商品がイケてうる所以は何か?という視点で、まずは本書の序盤を読んでもらうと納得感が高いと思います。

ワタシ

こうやって知らず知らずにApple製品をつかまされるわけですね。

ユーザー行動を定義するCREATEのモデル

では、プロダクトで留意すべき点を理解した上で次に何をするべきか。

そこで本書はユーザーの行動を変えるために、まずはユーザーの行動をモデリングします。

場所場面でわたしたちは、ある行動にとりかかることもあれば、そうしないこともある。

どうしてだろう。それは、行動にとりかかるには、その前に5つの前提条件が全て同時に整っていなければならないからだ。

行動を変えるプロダクトは、その前提条件のうちの1つかそれ以上に影響を与えることで行動をとりやすくできる。

その前提条件とは、キュー(cue、合図)、反応(reaction)、評価(evaluation)、アビリティ(ability、能力)、タイミング(timing、緊急性)の5つだ

「行動を変えるデザイン」より

上記で上げる通り、本書では、一貫して下記の5つの前提条件が大事とし、これが揃えって行動をするということを頭文字をとってCREATEモデルと提唱している。

CREATEモデル
  • “C”ue
    ▷何かをやったり考えたりするきっかけを作る
    (ランニングを早期させるシューズを見ることや友達から電話がくるなど)
  • “R”eaction
    ▷きっかけに対する自動的な反応を考慮する
    (シューズを見ると、最近走っていないな…と感じるなど)
  • “E”valuation
    ▷やるべき行動の費用対効果を上げる
    (走るまでの手間や走った際の効用を強化するなど)
  • “A”bility
    ▷やるべき行動を助長する支援を行う
    (走ったら体重が下がる、気持ち良いなどの確信を持たせる情報を送る等)
  • “T”iming
    ▷今が行動に最適な時だという緊急性を伝える
    (自分で掲げている目標と期日から今がやるべきだとリマインドする等)
  • “E”xecute
    ▷行動の実行

上記のように考えると、確かに無意識の行動というのはこのように分解ができるのだなぁと納得します。

特に、イマ使っているプロダクトだとFitbitなどはデバイスもアプリも良くできており、この無意識の行動を刺激する仕掛けが多いと感じます。

このモデルも今使っている商品とそれによって強化されている自分の行動を振り返ると何がポイントになるのかが良く分かります。

ツマ

確かに無意識の行動って実は理由があったりするよね

ビヘイビアプランとチート戦略

そして最後にビヘイビアプラン等によるユーザー行動の定義についてです。

上記のポイントを踏まえた上で、ユーザーの行動を定義して、何をどのように支援するかを考えます。

例えば、ランニングをする時のことを下記のように記載されています。

ランニングシューズを用意し、妥当な距離のルートを選び、ランニングする時間を確保し、忘れないように覚えておき、走る前に食べ過ぎないようにする。なんてやることが多いのだろう。

だからこそ、こうした厄介なタスクを実行可能にし、人が行動を起こすことを助けるプロダクトが必要だ。そのため、まず、ユーザーが行動を完遂するための通常たどるステップを書き出す。

「行動を変えるデザイン」より

上記のようにユーザーの行動プロセスを書き出してみると、何を考慮せねばいけないかが分かります。

本書では行動プロセスの書き出しについては、特に決まったものを提唱しているわけではありません。

ペルソナの設定をしっかりすることを推奨しつつも行動の洗い出しはどのような手段でもよいとしています。

尚、行動の洗い出しをする手法としてはジャーニーマップやタッチポイント・イベントリーなど複数紹介されています。

どの手段であるにせよ、ここで、ポイントになるのは下記の3つのラベルにカテゴリ分けすることが大事だとしています。

カテゴリ分けするべき3つのラベル
  • プロダクト上でユーザーすべきこと
  • その行動に反応し、プロダクトがすべきこと
  • その他の実世界で起こるすべてのこと

行動を何らかの手法を使って整理し、その上で、上記のラベルで行動を分類分けします。

そして、さらに自分がユーザーだったら…という視点で、抜けているステップがないかを見定めます。

特に1回限りのステップはないか、パスしてよいステップはないかを確認し、目的を達する最低限の行動をあぶりだします。

ここで更に、出てきた行動の中で、その行動自体をプロダクトに渡す(ユーザープロセスをプロダクトがやってあげる)ことが出来ないかを検討します。

このプロダクトに行動を渡すことを「チート」と定義しております。

端的にいえば自動化の機能をもたせることになります。

例えばランニングでいえば妥当な距離のルートをプロダクトがリコメンドするなどはその一つです。

このようにユーザーの行動をなるべくなくし、自動化させることが無意識の行動を起こす肝になります。

ワタシ

確かに気づかないところでプロダクトの支援を受けているのかもしれませんね

まとめ

上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点です。

感銘ポイント
  • シンプルで当たり前なことが大事
    ▷シンプルなプロダクトこそ選ばれる=原理原則
  • ユーザー行動を定義するCREATEのモデル
    ▷無意識の行動をステップに刻んで構造化する
  • ビヘイビアプランとチート戦略
    ▷まずはユーザー行動を定義し、自動化できるところを探る

上記のプロダクト創りの本質を理解することで、今まで自分が使っているプロダクトをなぜ、自分が選んで購入しているのかが良く分かります。

そして、自分はどういうプロダクトを作ってどんなユーザーの行動を変えたいのかという視点で読むと具体的なヒント(答え)が体系的にまとまっています。

そのため、商品部門の人は勿論のこと、何かを作って主体的に周りを巻き込んで影響を出したいと思う人も一読する価値が大有りの本です。

本書の内容を元に、自分の行動を振返り、周りの人の行動を変える仕掛けを作っていきましょう!

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ご精読頂きありがとうございました。
m(_ _)m

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