【要約 | 両利きの経営】既存の事業を伸ばしつつも新規の事業を成功させるポイントとは

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ワタシ

ども、らーにゃです。今回は「両利きの経営」について言及したいと思います。

既存の事業と、新規の事業の両立をどう図るべきか?

会社に所属していると必ずと言っていいほど、直面する大きな壁です。

末端の社員であっても、既存事業を守りつつも新規事業を攻めて伸ばしていくということの難しさは分かります。

「うちの組織、ダメだはこりゃ」と思う瞬間は2~3年も同じ組織にいればかならず出てきます。

では、この両立をどうやって図っていけばいいのか。

この点についての問題点と解決策について、地に足ついた理論や実践がまとめられているのが本書です。

どうすれば会社の戦略として勝ち筋が見えてくるのか、こんなことを考える人に特におすすめしたい本になります

今回オススメしたい書籍

「両利きの経営」の概要

現代の企業が直面する問題の地に足つけた現実的な解決策の方向性を示す書籍です。

表題の二兎を追うとは何かというと、「新規事業」と「既存事業」の2つを両立させるという意です。

では、この二兎を追うことを実現するには何がポイントか?

結論から言うと、両利きの経営には判断ができるリーダーがいることと、新たなトライを助長する文化を作ることがポイントになります。

例えばFaceBookの素早く行動しぶっ壊せという合言葉やAmazonの尋常じゃないほどの研究開発への投資はこの好例です。

では具体的にはそれがどうしてよいのか? 

言及している内容は名著である「イノベーションのジレンマ」に近いですが、本書はその課題に対してどうすればいいのかの解決策まで示しています。

「両利きの経営」の目次

本書は以下のような構成でまとめられています。


第1部 基礎編:破壊にさらされる中でリードする
 第1章 イノベーションという難題
 第2章 探索と深化
 第3章 イノベーションストリームとのバランスを実現させる

第2部 両利きの実践:イノベーションのジレンマを解決する
 第4章 6つのイノベーションストーリー
 第5章 「正しい」対「ほぼ正しい」

第3部 飛躍する:両利きの経営を徹底させる
 第6章 両利きの要件とは?
 第7章 要としてのリーダー(および幹部チーム)
 第8章 変革と戦略的刷新をリードする

『両利きの経営』あとがき

「両利きの経営」本書より

この両利きの経営という概念が新しい考えではなく、1990年代の論文発表から今に至るまで経営学術論の界隈では割と一般的になっているということから解説がはじまります。

本書のポイントは学術的でありつつも、具体的で地に足ついた内容でより実践的であるとことを示しています。

というのも、この書籍の著者は、経営学の権威であるとともに、企業のコンサルタントとしても活躍しており、そこで得た生の情報を元に話が展開されるためとてもリアリティがあります。

そのため、企業のリアルを踏まえて、二兎を追う企業経営をどう実現するのか、この具体的な実践論を記載しています。

ワタシ

現場の事例・生々しさがあると全然内容が違いますね。

個人的ポイント

上述の通り、本書では現在の企業課題を踏まえた地に足ついた経営論について言及し、処方箋を出してくれます

随所にポイントになることが多く出てくるわけですが、個人的にこれは抑えておきたいとおもったポイントは以下の通りです。

感銘ポイント
  • スピードと実験の推奨で成功する企業
  • サクセストラップにハマる日本企業
  • 社内ベンチャーとバックオフィス機能

順にふれていきます。

スピードと実験の推奨

まずはスピードと実験という考え方についてです。

本書は冒頭でも述べたように、既存事業を成功させつつも、新規事業を育てる点が焦点です。

その点で、既存事業の成功要因は「深化」であると述べています。

つまり、既存事業の改善をするべく、顧客ニーズを絶え間なく収集し、時代に合わせた実行が必要ということです。いわゆる顧客第一の言動ということですね。

一方で、新規事業の成功要因は「探索」と述べています。

これには、意思決定のスピード、失敗への耐性・経験をつけることが必要だと述べております。

そのため、この両方ができる組織能力を「両利きの経営」と呼んでいます。

ここでポイントになるのは、後者の新規事業の成功を下支えする、スピードと実験をするという文化作りです。

これはAmazonなどが有名ですが、とにかくガンガン研究開発に投資をしまくって新しい実験にトライします。

その中でkindleやAmazon primeやAWSなど色々な大成功事業もでているわけで、失敗も恐れずにどんどん新しいことをトライしているわけです。

■参考リンク(Amazonの真の優位とは)

ただ、この文化を作るために、トップがこの意思決定をできるかどうかというのが一番大きかったりもします。

同様の事例でいえば、Facebookにおける「素早く行動し破壊せよ」という文化も同様のことがいえます。

■参考リンク(Facebookの変化とは)

やはりトップの意思決定によるものが大きいですが、現在のGAFAの今のポジションもこういった企業組織やそれを醸成するトップによる影響が強いわけです。

ワタシ

超一流企業はやはり文化・カルチャーから違いますね

サクセストラップにハマる日本企業

もう一つ意識しないといけないのがコレです。

イノベーションのジレンマにも言及があることですが、注目するべきは企業は過去の成功経験に引っ張られるということです。

これは何かというと、一般的に事業が成熟するほど企業は既存事業の「深化」に偏り、イノベーションが起きなくなることを指します。

これを「サクセストラップ」と呼んでおり、現在、イノベーションが起きないことを嘆く多くの日本企業はこの傾向が強いわけです。

ではなぜ、日本企業がこのサクセストラップにハマってしまうのかを考えると、最大の理由は社会全体が関わっています。

■ご参考リンク(日本企業がジレンマを抱える理由)

戦後から高度経済成長期の前まではハングリー精神のもと、新しいことを色々試していこう!という社会全体の雰囲気があった一方、その後は一転するわけです。

何かというと高度経済成長期に入ってジャパンアズナンバー1の成功経験を積んだ結果システムが硬直化し、イノベーションが起きにくい環境になってしまったということです。

この点、新卒一括採用×終身雇用という制度は人の流動性も低く、同質化して異端を排除することで既存のことをミスなく継続させるマネジメントに繋がります。

一方でその傾向が強くなるにつれて新たなものを「探索」することをしない・できない組織になっていきます。

これはどちらが良いというわけではないですが、極端に深化に特化した文化・環境が今の日本であり、日本企業なのだろうということです。

ツマ

昭和企業みたいに言われる日本の大企業ほどこういうイメージ

社内ベンチャーとバックオフィス機能

では、具体的にうまくいった事例では何がポイントになっているのか。

V字回復した例は色々でていますが、特にIBMの成功ストーリーは特徴的です。

具体的には、過去IBMがうまくいかなかった時代の失敗分析としては以下の6つの要素が主要因だと考察がされています。

IBMが失敗した6つの要因
  1. 短期的結果に向けた実行に報酬を与え、戦略的な事業構築を重視できなかった。
  2. 既存の市場や製品・サービスしか眼中になく、未来のビジネスモデルの可能性に気づけなかった。
  3. 価格や利益を高める行動よりも、持続的な利益や1株当たり利益の改善にフォーカスされた。
  4. 市場インサイトを収集し、利用するという同社のアプローチがベンチャーには相応しくなかった。
  5. 成長機会に成熟事業のプロセスを当てはめた結果、新しいベンチャーを苦境に追いやってしまった。
  6. 起業家的リーダーシップスキルがなく、スタートアップに必要な忍耐や持続性も不足していた。

失敗したのは上記の要因ですが、この事実に目を向けて、それぞれを解決する打ち手を打ったことが成功要因になるわけです。

この中でも特にキーになるのが新規事業が「会社全体の中での戦略的な位置づけ」を築けるかどうか。

そして、新規事業担当者が「スタートアップを立ち上げるトップとしてのリーダーシップを持てるか」という点になります。

つまり、経営層が全体の経営戦略の中でどう新規事業が位置づくかをハッキリと明確にした上で、ベンチャーキャピタリストのように支援をするということが肝です。

いってみれば、社内ベンチャーを促進していくというのがポイントになるわけです。

この点でいうと、国内でうまくいっているように見えるのはココでしょう。

■ご参考リンク(リクルート名物制度の仕組とは)

最近だとSONYも海外で社内ベンチャーを実践する動きを作るなどイケイケドンドンですが、会社の風土でいえばやはりリクルートが日本代表感があります。

調べるほどに色々な書籍がでているわけですが、国内にも成功例はあるわけですから、どんどんこういうところからノウハウを盗んで実践しないといけません。

ワタシ

どうせ日本人だから…と思いがちですが日本企業でも成功例はあるんですよね

まとめ

上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点です。

感銘ポイント
  • スピードと実験の推奨で成功する企業
    ▷GAFAの今の繁栄はスピードと実験の文化づくりにあり
  • サクセストラップにハマる日本企業
    ▷既存の深化がいきすぎるとイノベーションが起こしづらくなる
  • 社内ベンチャーとバックオフィス機能
    ▷両利きにする処方箋はベンチャー化にあり、リクルートが模範

以上です。

本書で述べられている、既存の「深化」と、新規の「探索」というのは言うは易し行うは難しの代表格だと思います。

イノベーションのジレンマでも記載があるように、ある種両立させるのは矛盾をはらむ部分すらある気がします。

ただ、少ないとはいえ、世界でもうまくいっている企業もあるのは事実で、国内でも成功例が実在します。

なのであれば、「なんでうちの企業は…」とグチグチいう暇があれば、先行している成功事例をぱくりまくって

目の前の課題を解決する新たなトライをガンガンしていくのが一番得策だと思います。

DX化と叫ばれる今、何か新しいトライをするにはチャンスの時です、組織人であれば失うものはないのでガンガン実験・実践していきましょう!

ご精読頂きありがとうございました。
m(_ _)m

■その他、合わせて読みたい書籍

下記は上記と併せて読みたい本です。こちらもセットでチェック頂くと理解が深まります。(-.-)