今回は「Learn Better」について言及したいと思います。
読書はちょっとした時に気になる本をちょいちょいつまみ食い的に読み、なるべく業務でアウトプットできるよう実践知にしようとしています。
今回は『Learn Better』を読んでの気づきと実践観点を簡単にまとめておきたいと思います。
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目次
今回オススメしたい書籍
「Learn Better」の概要
本書籍では「戦略的学習力」について述べられています。
人がどのようにして学びを深めることが出来るのか、自分で自分を教育するための学習の実践論を科学的な視点も持ちながら詳細にまとめています。
尚、本書で紹介される概念は2030年に求められる力で堂々のno1であげられているものになるので、今後より注目されるであろう内容だと思います。
「Learn Better」の目次
本書は以下のような構成でまとめられています。
第一章 価値を見いだす
意味を自ら発見する/学びを自ら「作り上げる」/探索する種/「知的努力には伝染性がある」/意味とは学ぶこと/言語の摩滅/マインドセットの大切さ/MET研究第二章 目標を決める
短期記憶の容量の小ささ/知識は学習の土台/学習にコンフォートゾーンはない/思考の質を上げる/思考についての思考―そして情動/感情管理の必要性/自己効力感/学習は難しくて当たり前第三章 能力を伸ばす
モニタリング/外部からのフィードバック/苦労の本質と反復/「検索練習」/脳の可塑性/間違いの心理第四章 発展させる
マイルス・デイヴィスの傑作/学習の発展としての議論/応用の必要性/「ハイテック・ハイ」/人に教えるという学習方法/不確実性の価値/「多様性は人を賢くする」/疑問の大切さ第五章 関係づける
システム思考/「最大の認知上の障害」/仮定思考/ハッキング/視覚的アプローチ/アナロジーの価値/問題解決のスキル第六章 再考する
「Learn Better」本書より
過信/直感型思考と熟慮型思考/評価する必要性/自分に分かっていないことを知る/分散学習/内省の必要性/静かな時間/「こぶし」実験/無限のプロセス
具体的なステップ毎に整理されるので見やすいですね
個人的実践ポイント
全体を通じて気づきの多い書でしたが、特に印象的だったのは以下の点です。
- ポイント①:知的努力には伝染性がある
- ポイント②:自問自答の仮定思考
- ポイント③:分散学習と評価フィードバック
この後順に触れます。
ポイント① 知的努力には伝染性がある
これは何となくイメージはありましたがやはり科学的にも効果があることは示されているようです。
何かというと、所属する集団によって学習意欲の増減が左右されるという事実です。
本書では「ポッセ」といわれる、仲間のネットワークを持つことで学習に打ち込むやすくなるという取り組み事例が記載されています。
ここでポイントになるのは、『同調圧力』です。本書では以下の記載があります。
これは仲間、チーム、同族、派閥、サークルからの同調圧力の良い面で、学習に打ち込むものが一人いると、他の人間も学習に打ち込むようになる。
私たちは仲間外れとか落ちこぼれとかナマケモノになりたくないため、モチベーションと意味が集団内に広まる。意欲は人から人へ移ることがある。
最近のある論文が発表した通り、「知的独力には伝染性がある」のだ。
「Learn better」本書より
つまり、「朱に交われば赤くなる」ということですね。
身近なトコだと、いわゆる”良い大学”がこれだと思っており、受ける授業の質よりも、集まる人の質が、成長環境として価値があるというやつです。
なので、結論としては、良い集団(多少背伸びするくらのトコ)に常に身を置く、もしくは繋がりを創るということが合理的なようです。
背伸びをするとストレスもありますがその分のバックもありますよね。
ポイント② 自問自答の仮定思考
そして2つ目が「仮定思考」です。
これは何かというと、「なぜ?」という質問を常にもつことで、物事の「つながり」を理解することを指します。
この視点にたつと、例えば、身近なところだと学校の授業における、説明が分かりやすい先生と、分かりにくい先生の違いにヒントがある気がします。
何かというと、分かりやすい先生ほど、「例えば!身の周りにある…の~~のように…」と周りの事象と知識をつなげてくれます。
では、これを自分でどうやるか?
そのためには自分一人で先生役と生徒役の両方を演じる他ありません。
つまり、生徒役として「なぜ?」を自分自身に無邪気に問いかけるわけです。
具体的には、頭の中で以下のようなやりとりをします。
生徒役「なぜ○○は××なんですか?」
先生役「それは○○が~~だからだよ!例えばね!…」
生徒役「ふむふむ、、では▷▷の場合はどうなるのですか?」
先生役「それはね…」
…
と、一人芝居を頭でやり続けることなどはすぐにできることかと思います。
そして、知識をその他のことにつないで理解し、更に自分なりのアイディアに発展させられるかどうかが肝だということが述べられています。
この章ではマイルスデイビスやビートルズなど音楽好きにはたまらない具体例がでます。
ポイント③ 分散学習と評価フィードバック
そして最後に具体的な学習手法についてです。
結論からいうと、細かく”適度な”繰り返し学習を行い、”常に”周りからのフィードバックをもらう。というものです。
つまり、学校での学習でいう復習をすることと、小テストを受けたりするようなことです。
なぜこんなことを意識するのか?
この問いに対する答えは非常にシンプルで、「忘れるから」です。
これは有名な概念ですが、記憶したものは一日で7割近く忘れるということが分かっています(下記エビングハウスの忘却曲線ご参照)
そのため、適度なタイミングで復習をしたり、予習をしたり細切れで繰り返し学習をするのはこの点になります。
また、もう一つの評価という行動ですが、これまたシンプルです。
ポイントは振り返って考えるきっかけを創るという点です。
なぜこうなったのか?という思考をもつことが学習にとってプラスに働くのは前述した通りですが、その機会を強制的に持たせられます。
そのため、大人が勉強するときもこういった小テスト的な位置づけ(参考書でいう章末問題を解くなど)は意図的に組み込む必要がありそうです。
このポイントが抑えられれば自分に合ったカリキュラムも創れそうですよね
まとめ
上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点。
- ポイント①:知的努力には伝染性がある
▷同調圧力を上手く使って自分を高めよ - ポイント②:自問自答の仮定思考
▷頭の中で生徒役と先生役の1人2役を演じよ - ポイント③:分散学習と評価フィードバック
▷記憶定着させるために復習と小テストを自分で設計せよ
人生100年時代といわれる今、社会人を続けていく上でも新しい知識の学習は切っても切り離せません。
そのため、自分で自分を教育するために上記の視点・ノウハウを確立することはこの後大きな差になる気がします。
自分の特徴を踏まえた自分だけのカリキュラムを創ることで、誰もが圧倒的成長をするオリジナルの仕組みが作れると感じます。
ご精読頂きありがとうございました。
m(_ _)m
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