【要約 | 起業の天才 江副浩正】リクルート創業者の考え方と行動指針は?

ワタシ

ども、らーにゃです。今回は「起業の天才」について言及します。

リクルートというとどんなイメージを持ちますか?

「ビジネスのお手本のような会社」

書店のビジネスコーナーには色々なリクルート系のビジネス書が並びます。

事実、ワタシ自身も「リクルート流」と出ているだけでついつい手にしてしまいます。。

「では、そんなリクルートはどのように出来たか?」

今回はそんなリクルートの生みの親である”江副浩正”氏の伝記について触れていきます。

日本人ビジネスマンであれば、リクルートという会社や創業者のことについて知ることはもはや教養です。

特に、起業する!副業する!みたいなビジネスを自ら実践したい人には特にオススメです!٩( ᐛ )و

今回オススメしたい書籍

今回扱う書籍は『起業の天才!江副浩正』という本です。

ワタシ

リクルートを作った人の話ということでめちゃ気になります。

ツマ

ビジネスに詳しくないからワタシはあまりわからないなー。。

「起業の天才! 江副浩正」のサマリー

本書の気づきポイントは下記7点です!

個人的に面白いなーと思ったのは、GAFAと比較して論ずるところが多い点です。

日本の名経営者と言われる人も松下幸之助氏や本田宗一郎氏や稲盛和夫氏などみな、技術畑の人です。

そんな中、江副氏はいわゆる文系タイプで専攻は心理学、それも東大で学ぶというその手のプロフェッショナルです。

そのため、人を惹きつけて、モチベートさせる技術は専門的な知識を有しており、感覚ではなく意図を持って組織的にやるなど他の名経営者とは毛色が違います。

>>【参考】「起業の天才 江副浩正」はコチラ

ワタシ

リクルート=心理学を応用した会社というのは知りませんでした

「起業の天才! 江副浩正」の目次

本書は以下のような構成になっています。

序章 ふたりの天才

【第1部 1960】
 第1章 ユニコーンの誕生 
 第2章 紙のグーグル 
 第3章 進撃のダイバーシティー 
 第4章 「日本型経営」を叩き潰せ 
 第5章 APPI 
 第6章 打倒Y 

【第2部 1984】
 第7章 江副か稲盛か 
 第8章 森田の未来、真藤の未来、江副の未来 
 第9章 情報の海へーーALL HANDS ON DECK !(総員配置につけ!)  

【第3部 1989 昭和の終焉・平成の夜明け】
 第10章 変容 
 第11章 情報が人間を熱くする 
 第12章 世紀のスクープ 
 第13章 反転 
 第14章 「おまえら。もっといかがわしくなれ!」

「起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男」本書より

ツマ

進撃の〜とかタイトルが興味をひくね

本書で押さえるべきポイント

本書はノンフィクションの内容のため「次はどうなる!?」と、読んでいてワクワクします。

そんな中でも、現代のリクルートという会社の文化と重ねて考えると理解が深まります。

その上で、押さえておきたいポイントは下記の3点です。

押さえたいポイント
  1. リクルートが人を成長させるのはなぜか
  2. リクルート事件から分かる日本の独特さ
  3. 江副浩正氏から学ぶビジネス術!

順にふれていきます。

リクルートが人を成長させるのはなぜか

なぜリクルートは人を伸ばし、ビジネス界のスーパーマンたちの巣窟になったのか。

これは創業者の江副氏の考え方が影響します。

江副浩正の哲学とリクルート文化

まず、リクルートの文化を形成した創業者、江副氏とはどういう人物なのか?

江副氏のスタンスとして既存のものを疑い、常にもっといいやり方を模索し、古いものを新たな方法に塗り替えるべきという考え方が根底にあります。

端的にいえば「イマある既得権益をぶっこわす!」というものです。

これは非常に挑戦的な姿勢であると同時に、周りの人を巻き込んでワクワクさせるパワーも持ち合わせます。

ワタシ

そういえば、どこぞやの元総理大臣が「自民党をぶっ壊す!」と宣言していたね。

ツマ

その当時、カリスマ的人気を博していたのと似ているかもね。

人材の採用や育成の考え方

また組織文化も独特で、人を伸ばすための企業文化が根付いています。

特にすげぇな!と思ったのが下記の点です。

独特の文化
・マイノリティの積極採用
・自らの意志で動く文化の醸成
<マイノリティの積極採用>

リクルートは、若手や女性や社会的地位が低いとされる人々も積極的に採用し抜擢し役割を与えていきます。

それには、誰であっても隠れた才能や可能性はやり方次第で引き出せるという哲学があります。

この時代は今でいえば差別的なことは当たり前で、多様性を重んじる空気はありませんでしたので、これはかなり先進的でした。

<自らの意志で動く文化>

また抜擢人事と合わせて押さえたいのが、有名な「君はどうしたい?」というやつです。

これは、従業員が自分の意思で考えて当事者意識を持たせた上で全てを任せるという江副氏のやり方です。

人は自分でやりたいことを任せてもらえることで自分ごととして捉えて自ら責任感をもって動きます。

さすが心理学のプロというべきか、至るところに人をその気にさせる科学的なマネジメント手法が多くあります。

この点において、江副氏に大きな影響を与えた存在がDカーネギー氏であり、リクルートは下記の組織的な実践の模範例かもしれません。

超大胆な採用活動

江副氏は人を育てるだけでなく、採用に関してもエゲツなさがある採用狂です。

イケてる子への固執の仕方は異常です。特にお金のかけ方と採用の仕方がエグいです。

<イケてる子への大胆な投資>

まず、一つ目が狂気的なほどの採用費をかけていることが特徴的です。

一級品の人材を手にいれるには手間だけでなく、お金も惜しみなく使います。

例えば、東大・京大の理系学生を1000人取れと号令し、一人当たり600万、総額60億円を採用費として計上したり

一流の理系学生の興味を惹くものが必要!ということでスーパーコンピューターをドンと購入します。

ベンチャー企業が何十億と採用にコストをかけるわけですから狂気の沙汰です。

<イケてる子を青田刈り>

リクルートでは、結果を出す自信のある腕自慢をどんなやり方でもガンガン集めます。

そのため、欲しい!と思った学生などは就活スタートを待たずして早期に狙い撃ちして採りまくります。

本来、優秀な学生は理系であれば研究がひと段落した時に教授の推薦、文系学生も就活がスタートしてから大企業に流れるのが常です。

ただ、そうなってからでは遅い!ということで、上記の動きが出る前に学内で直接勧誘して囲っちゃうというわけです。

時には寿司屋につれていって夢を語って口説き落とすなど一本釣りをしていきます。

当然、見方によっては、悪質な勧誘にしか見えないので大学側からのクレームは必須なわけですが、必要だからやると平然とやり通します。

この、ある種の世間体を気にしないノールールなスタンスが良くも悪くも日本っぽくないところだったりします。

リクルート事件から分かる日本の独特さ

この江副氏はリクルート事件なるもので社会的に大バッシングを浴びて失脚しました。

ではイケイケどんどんだったリクルート・江副氏がなぜ、このような事態に陥ったのか。

これは江副氏のスタンスと日本の独特な国民文化が影響しています。

江副氏のベースにある「国富論」

江副氏は高校の時に学んだ国富論に感銘を受けて、物事の考え方は市場原理を基本としたアダムスミスの合理的な考え方そのものです。

この時の時代背景からすると、世間的には「自由競争=勝者総取りで格差を生むマイナスなもの」という考えを持つ、アンチ国富論であるマルクスの資本論がトレンドでした。

ゆえに、上記を志向した労働組合の活動が活発な中、徹底的な合理主義でビジネスをする江副氏は特殊な存在でした。

既存のものを破壊して、新たなものにどんどん変えていくという考え方はイノベーションの考え方の先駆けです。

これも今でこそ重要視されていますが、高度経済成長期で好景気な当時としては現状を否定するこのスタンスは異端で既存業界の人から疎まれる存在でもありました。

日本の同質文化とメディアの印象操作

上記の通り既存業界からは疎まれる存在だったリクルートですが、特に大手新聞社などは一部のビジネス領域で顧客も取られて非常にウザい存在でした。

そのため、何かとリクルートは目をつけられ、大手新聞社によって江副氏は社会的に抹殺されます。

それがリクルート事件です。

これはリクルートが行なっている所業に対して、悪いことをしているというイメージをつける印象操作を行います。

違法でないが「倫理的にどうなのか?」ということを強調する見出しを全国紙の一面に連日出して、国民の負の感情を意図的に焚き付けたのが朝日新聞です。

これが功を奏して、狙い通りに江副氏は社会の批判の的になり、社会的に抹殺され、再起不能になります。

ここからわかることは、「伝統・調和」を重んじる日本人は、イノベーティブな人を「破壊者・悪もの」というイメージを持ちやすいという点です。

これは良い悪いではなく、前提として、日本にはイノベーションを受け入れる文化がないため違和感がどうしても付きまといます。

前提にある儒教の価値観

日本の文化はイノベーションと親和性がありません。

上記の吊し上げは現代であればホリエモンのライブドア事件にも近いものを感じますね。

ではなぜ、このような反応になりやすいか。

その一つは儒教的な考え方があると考えられます。

日本社会は「倫理観の重視」・「伝統を重んじる」といった儒教的な価値観が浸透しています。

これが良いか悪いかは置いておいても、イノベーションを起こすという点においては相容れない土壌であるのは間違いないです。

事実、この前提の価値観が江副氏のスタンスと相容れなかった結果、社会から排除される形となりました。

そのため、イノベーションが大事だー!と最近はいわれていますが、そもそも、この文化的なギャップがあることは前提に考えないといけません。

ツマ

日本人の美徳が足枷になるというのはなんか悲しいね

江副浩正氏から学ぶビジネス術!

上記のようリクルートは様々なイノベーションを起こしてきました。

一方で日本はそれを受け入れがたい文化が前提としてあります。

また、現在は副業や複業が叫ばれる中、誰もが今後はスモールビジネスを自ら手がける時代にうつりかわりつつあります。

そのため、私たちはこの江副氏の軌跡から学ぶべき点は多くあります。

個人的に実践しなければと思ったのが下記3点です。

①徹底的に合理的に!そして道徳的に!

また江副氏は裕福な家庭で育ったわけではなく、幼少期はむしろ金銭的にも精神的にも貧しい生活を送っています。

そのためハングリー精神が強く、道徳的な倫理ではなく、合理性のみで考える非常にリアリスト的な側面があります。

結果、とにかく行動の無駄をなくして、徹底的に合理的かつ効率的な思考をします。

特に、一つのの行動をとっても複数の意味を持たせることに価値を感じており、一石二鳥では足りなく一石三鳥をよしとします。

スピードが求められるイマ、多角的な視点をもって、最短になる方法を徹底的に考え抜くことは見習うべきことが多いです

ただ、ここで倫理観も持った上で判断をしていかないと足を掬われることも忘れてはなりません。

この点では、道徳的な思想も取り入れている稲盛氏の方がバランスが良い印象を持ちます。

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②自立を促すマネジメント

また、上記のリクルート事件が起きた後も、大バッシングを受ける中でもリクルートは増収を確保しました。

その理由は、営業マンのスーパー営業やマネジャーのスーパーマネジメントが自立的に実践されたことが大きいです。

根本的には江副氏のトップダウンではなく、組織内に「人を伸ばし、事業を伸ばす文化が根付いており社員が自立して動いていた点が大きいです。

トップ不在でもボトムアップで機能したという点は特筆点です。

特にリーダーやマネジメントなど人を束ねるようになったアラサーのビジネスマンにとって、ビジョンを提示し、役割をつくり、うまく委任させて、組織を勝手に動かすスキルは学ぶ価値が大ありです。

この点はリクルート流のマネジメントの本などを見ると、そのすごみと具体論がよくわかります。

③未来志向で”イマある負”を解消する

また、江副氏は既存の枠組みやしきたりにとらわれずに”イマないこと”を構想します。

その時に出発点になるのはイマの社会に蔓延る”負”の部分であり、これをどう解消するかが出発点です。

この未来を構想し社会の課題解決を出発点とするのはまさにイケてるベンチャーの模範です。

また、特筆点は、最初からグローバル展開を想定して物事を考えていたのもポイントです。

日本にいるとどうじても思考が閉じこもりがちな我々日本人は見習うべき点は多いです。

特に目標設定の仕方や、人への巻き込・発信のし方は真似るべき考え方です。

どんな社会課題を解決するかなど、手帳などのビジネスツールを使って日々の目標設定にも応用していきましょう。

まとめ

上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点です。

押さえるポイント
①リクルートが人を成長させるのはなぜか
▶️心理学を応用してイケてる人をイケてるやり方で伸ばすから
②リクルート事件から分かる日本の独特さ
▶️日本はイノベーションを受け入れられない土壌が前提にある
③江副浩正氏から学ぶビジネス術!
▶️とにかく早く・周りを巻き込んで・ビジョナリーに!

以上です。

本書は、現代を生きるビジネスマンであれば、誰もが教養として読んでおくべき本です。

特に、起業をしたい!副業をしたい!と感じている人であれば国内の超模範的なロールモデルとして参考になるはずです。

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ぜひ、他の書籍や手帳などのツールと組み合わせて自分の地肉にしていきましょう!٩( ‘ω’ )و

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ご精読頂きありがとうございました。
m(_ _)m

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「他に押さえておくべきビジネス書はどれか」

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