【要約|夜と霧】極度のストレス下でもやり抜ける自己暗示の心理学

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今回は「夜と霧」について言及したいと思います。

読書はちょっとした時に気になる本をちょいちょいつまみ食い的に読み、なるべく日々の実践に繋がるような実践知にしようとしています。

今回は名著と名高い『夜と霧』を読んでの気づきと実践観点を簡単にまとめておきたいと思います。

今回のおすすめ図書

「夜と霧」の概要

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本書は、ナチスによるアウシュヴィッツ強制収容所でのユダヤ人迫害の歴史的事件の実際の経験者の体験記です。

読み進めるほどに目を覆いたくなるような内容で、極限状態になると人はどうなり、そこで人はどうあるべきなのかを、心理学者の著者が心理学的に解明しようと試みをしています。

究極的にストレスがかかる(自殺するレベル)時の世界観と、そこでの立ち直り方としての生きる知恵がまとまっているので、ここから示唆されることは多いです。

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表紙の☆と番号は著者の収容所での登録番号です。もはや人としての尊厳がない世界…。

「夜と霧」の構成

本書は以下のような構成でまとめられています。

第一段階 収容
アウシュヴィッツ駅/最初の選別/消毒/人に残されたもの――裸の存在/最初の反応/「鉄条網に走る」

第二段階 収容所生活
感動の消滅(アパシー)/苦痛/愚弄という伴奏/被収容者の夢/飢え/性的なことがら/非情ということ/政治と宗教/降霊術/内面への逃避/もはやなにも残されていなくても/壕のなかの瞑想/灰色の朝のモノローグ/収容所の芸術/収容所のユーモア/刑務所の囚人への羨望/なにかを回避するという幸運/発疹チフス収容所に行く?/孤独への渇望/運命のたわむれ/遺言の暗記/脱走計画/いらだち/精神の自由/運命――賜物/暫定的存在を分析する/教育者スピノザ/生きる意味を問う/苦しむことはなにかをなしとげること/なにかが待つ/時機にかなった言葉/医師、魂を教導する/収容所監視者の心理

第三段階 収容所から解放されて
放免

「夜と霧」本書より

特に第二段階は最初から衝撃的な内容で感情移入するほど、頭がおかしくなりそうになります。。

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良くも悪くも今が如何に平和かを理解できます。

個人的感銘ポイント

全体的にこれがノンフィクション??と疑いたくなるほどの体験記で衝撃的ですが、その中でも個人的に印象的だったのは以下の点でした。

感銘ポイント
  • ポイント①:感動が消滅する究極の状況
  • ポイント②:根拠ない希望というリスク
  • ポイント③:生きる意味を問う

この後順に触れます。

ポイント① 感動が消滅する究極の状況

第二段階は最初の冒頭から強烈な文言が飛び交います。

糞尿は、でこぼこの地面を運んでいくとき、しょっちゅう顔に跳ね返るが、ぎょっとしたり拭おうとすれば、かならず一撃が飛んできた。労働者が「上品ぶる」のが気にさわったのだ。こうして、正常な感情の動きはどんどん息の根を止められていった。

「夜と霧」本書より

人を人としてみない、感情がなくなる(麻痺する)というのはこういうことをさすのだろうと理解すると同時に、実際の体験談のため想像が出来てしまうため衝撃を疑似体験します。

もうこの最初の冒頭部分だけでも、フラッ…としてしまうわけですが、普段イライラしたりすることも前提として人間らしい生活をしているということがあることを思い出します。

今現在に感謝をするとともに、もしこのような場になった時に自分はどう立ち振る舞って状況に意味付けができるのかが考えさせられます。

また、一方でどんな状況にあっても、その状況に対してどのように振る舞うかという精神の自由だけは、だれにも奪うことができない。ということも言及されております。

つまり、このような極限状態でも生きるか死ぬかも自分次第・振舞い次第ということを言及しています。まさに気の持ちようということですね。

ポイント② 根拠のない希望というリスク

また、本書では以下のような文言もあります。

クリスマスには家に帰れるという、ありきたりの素朴な希望にすがっていたことに求められる、というのだ

「夜と霧」本書より

目の前に希望がないから、未来の希望を自分で考えて、その淡い期待に向けて人は頑張ることができるということです。

ただ、一方でこのような文言があります。

クリスマスの季節が近づいても、収容書の新聞はいっこうに元気の出るような記事を載せてないので、被収容者たちは一般的な落胆と失望にうちひしがれたのであり、それが抵抗力に及ぼす危険な作用が、この時期の大量死となってあらわれたのだ。

「夜と霧」本書より

つまりその希望が虚であることがわかった途端、希望が失望・絶望に代わり、そのショックで抵抗力が下がりどんどん人は命を落とすということです。

これは希望というものが諸刃の剣になっていることを示唆するとともに、希望に代わる代替策を考える必要性を理解できます。

確かに自分自身の経験を考えても、嫌なことに対して「こうなったらいいのに…」と妄想をして、ありもしないことを想定して進むとその後で痛い目をあうことはよくわかります。

業務でも似たようなことがあります。

例えば、とある上司に報告を求められた際に「きっとこうなりますから大丈夫です!」と根拠なく虚勢を張った場合、結果的に約束した状態にならずに、答えに詰まって会社にこれなくなる。

こういった人を何人かみてきました。希望というのは響きはいいですが、根拠がない希望はむしろ毒だということが分かります。

ポイント③ 生きる意味を問う

上記を踏まえ、では厳しい状況下でなにを心掛けるのが良いのか、そしてどのようすれば心の安定は訪れるのか。この回答にあたるのが

生きる意味を問う

ということです。何かというと、「自分が」どうありたいか?ではなく「人生が」自分にどうなるべきか?を問うていると考えるということです。

例えば、「なんでこうなってしまったんだ…あんまりだ…」という発想ではなく「苦しいが、この試練を経験している自分にはいったいどんな役割があるのか…」という発想です。つまり

視点・発想を変えること

が求められます。非常にハードルが高いことが求められる一方で、自分自身が自分中心で考えがちだということにも気づきました。

改めて「自分中心の視点で考える」ことから脱却し、「人生・社会から見た視点で考える」ことに移行できるかが求められると思います。

今後の人生を考えれば、今までに経験したことのな、多くのストレスがふりかかることはあると思いますが、この視点を思い出して実践できるようにせねばと思いました。

まとめ

上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点です。

感銘ポイント
  1. 感動が消滅する究極の状況
    ▷衝撃を受け続けると感動がなくなり麻痺状態になる。
  2. 根拠ない希望というリスク
    ▷心地よい希望・妄想は逆効果になる可能性が高い。
  3. 生きる意味を問う
    ▷自己中心から脱却し、人生に対して意味付けを行う。

大学生の時に友人に勧められて衝撃を受けたのですが、これが実際に合ったこととして今読んでも尚、衝撃を受けます。

また、自分に置き換えた時に今後の人生で今までにない苦難が待っていることを考えると、この本から今後の自分の在り方について学べることは非常に多いです。

壁にぶちあたった時、人生に迷った時、近くにおいて読み返したい本ですね。

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ご精読頂きありがとうございました。
m(_ _)m