今回は「2100年の科学ライフ」について言及したいと思います。
読書はちょっとした時に気になる本をちょいちょいつまみ食い的に読み、なるべく業務でアウトプットできるよう実践知にしようとしています。
今回は名著と名高い『2100年の科学ライフ』を読んでの気づきと実践観点を簡単にまとめておきたいと思います。
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目次
2100年の科学ライフとは
本書の概要
各分野の技術の現状を共有するのと共に、来る近未来に現実的に起こりそうな事象を予測もかねて記載がなされています。
ただ、単に予測するのではなく、各分野の第一人者と共にこの視点で深めているため、非常に現実的で納得感がある内容で純粋に勉強になります。
少し出版されてから時間が経ちますが全然色あせないので今読んでも気づきが多いと思います。
本書の構成
本書は以下のような構成でまとめられています。
はじめに──来る100年を予言する
1 コンピュータの未来──心が物を支配する
2 人工知能の未来──機械の進歩
3 医療の未来──完璧以上
4 ナノテクノロジー──無から万物?
5 エネルギーの未来──恒星からのエネルギー
6 宇宙旅行の未来──星々へ向かって
7 富の未来──勝者と敗者
8 人類の未来──惑星文明
9 2100年のある日
「2100年の科学ライフ」本書より
企業の課題図書として課されるケースもあるみたいですね。
個人的感銘ポイント
個人的に印象的だったのは以下の点。
- ポイント①:チップが埋め込まれる世界
- ポイント②:デザイナー・チャイルドの存在
- ポイント③:民主的な議論の必要性
この後順に触れます。
ポイント① :チップが埋め込まれる世界
本書籍は、冒頭でも述べた通りどの章も実際の技術研究をベースに記載されているため非常に具体的かつ現実味があります。
その上で、どの章も下記のような章立てで構成されています。
- 近未来
▷2010~2030年に実現する世界を記載 - 世紀の半ば
▷2030~2070年に実現する世界を記載 - 遠い未来
▷2070~2100年に実現する世界を記載
そのため、各分野でこの先10年で実現できる技術などが記載されているため現実味があります。
この点で、まず第一章の「コンピューターの未来」から衝撃を受けました。
例えば「心を読む技術」が発達しつつあるという文脈で、脳をスキャンしたり、夢を解析したりなどが可能になるということも記載されています。
それも夢物語的なものではなく、現実的な脳の動きをモデリングする研究(人間工学や脳科学等)の延長に位置づく技術として現実可能とあるわけです。
読んでいて純粋に
と思わず言ってしまいそうになる事が非常に多くSF映画の実装を妄想してしまいます。
これだけでもお腹いっぱいになりそうですが、個人的な驚きはむしろ近未来にあったりします。
何かというと、上記はあくまで遠い未来と位置づけられているわけで、自分が体感できるのも死ぬ間際なわけですが、近未来の内容はどっぷりど真ん中で関わるわけです。
その中で、今まで体感したことのない技術体験が記載されていると、
と妄想が止まらなくなります。
例えば、自動運転みたいな話は今でこそ当たり前のように議論されていますが、5年前などはそのような議論すらでていなかった気がします。
また、スマートグラスの一歩先にある、コンタクトにチップが入ったスマートコンタクトや、薬にチップが入ったスマートピルなどは既に実装段階に入っています。
つまり、非現実の技術ではなく、近未来に実現するものとして記載がなされています。
こんな世界を考えると今スマートウォッチを付けてウェイウェイいっている自分がアホらしく思えてきます。
あまりこの手は報道がされないので意識が向かないですが、ヨーロッパの方では既に”手にチップを埋め込んで決済する動き”などがあり、この世界観はすぐに訪れる気がします。
IoTやセンシング技術やナノテクといった文脈でも、想像している以上に身近なものとして捉えたほうがいいなと感じる今日この頃です。
ポイント②:デザイナー・チャイルドの存在
また次に、衝撃的だったのが、医療系の技術進化に関してです。
これは他業種ながら技術進歩のスピードが速く、すごい勢いで進化していることは至るところで耳にします。
ただ、あまり聞きなれない言葉で一番目をひいたのがこれです。
言葉からなんとなく想像できてしまいますが、遺伝子の組み換えなどの延長で恣意的にとある能力を強化するみたいなことを可能にするという技術です。
これを見た時もまた衝撃を受けるわけですが、個人的には歴史的に有名な、ナチス・ドイツの人体実験を思い浮かべてしまいました。
技術をどう使うか次第ですが、上記を考えるとかなり恐ろしいイメージが芽生えてしまいます。
しかもこれがなんと、マウスでの実験ではある程度成功しているようで、神経回路(シナプス)を調節して信号を送りやすくすることで理論的には実現可能とのこと。
これは倫理的な問題もあって実装は遅くなりそうですが、それでも2030~2070の技術として位置づいており、生きている間に実装されうるのだなと感じます。
特に自分が使いたいというわけではないですが、法整備と併せて着目したい視点です。
ポイント③民主的な議論の必要性
上記などの変化を踏まえると、もはや未来の技術の力をもってすれば今の人の力はゆうに超えられる世界になります。
ホモ・デウスなどでも「人は神を超える」といった類のとんでも論が展開されていましたが(私はそちらでも納得してしまいましたが…)、上記の文脈でもいわんとすることは分かります。
となると、何が大事になるかというと、この諸刃の剣をコントロールする”知恵”や”良心”が必要になります。
そのため、この本書の結びでは民主的な議論(対話)が如何に大事で必要かということが厚く語られており、同時に指摘しているのが
ということです。
今後20~30年でシンギュラリティ(技術的特異点)を迎えるにあたり、上記の世界が少なからず展開されていることが予想されます。
そのため、ハイテクな世界になるね、で終わる事なく上記まで踏み込んで予測した上で何をするべきかを教育の視点でも議論をする必要がありそうです。
これは疑う余地はなく、各国の教育制度がこの技術の進化・動きに対応した教育の仕組を構築できるのかという視点と個々人がこの感覚をもてるかが全てな気がします。
まとめ
上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点。
- ポイント①:チップが埋め込まれる世界
▷IoTは想像以上に身近なところに展開される - ポイント②:デザイナー・チャイルドの存在
▷技術進化に伴う倫理観や法整備の動きに注目 - ポイント③:民主的な議論の必要性
▷諸刃の剣になる技術を正しく使うための知恵の獲得が重要
どこか未来都市を描いた映画のような内容ですが、SFとして読むよりも近未来に来る現実として読んだ方が面白いです。
今後の技術に対して自分はどう関わるか、この視点でまずは身近な家族と食事の際にワイワイ対話するところから考えるでもよいのかなと思います。
現実的がゆえに非常に示唆にあふれる一冊だと思います。
ご精読頂きありがとうございました。
m(_ _)m
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