ども、らーにゃです。今回は「AIの未来を語る」について言及します。
オードリー・タンという人物をご存知ですか?
この人は台湾のデジタル担当の政務委員に最年少でなりグローバル思想家100人に選出もされた人です。
そんなスーパーな人が、今後のデジタルとAI時代のあり方についてまとめているのがこの本です。
「なるほど、この人の視点はすげぇ参考になるな…!」
と感じることが多かったので備忘録的にまとめます!
今後のデジタル社会を生きる上で理解すべきことがまとまっているので、リテラシーをつけるためにも万人におすすめです!٩( ᐛ )و
目次
今回オススメしたい書籍
今回扱う書籍は『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』という本です。
世界が注目している台湾の最年少デジタル政務委員の人ってどんな人なんだろ
LGBTや少数派の意見の取り入れとか現代の考え方の模範みたいな人だね
「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」のサマリー
個人的に面白いと思ったのが官民が連携したオープンイノベーションの起こし方ですね。
元々、アメリカのシリコンバレーで起業をしてバリバリと自身もエンジニアと経営を行います。
その後に起業から政府機関に移動して成果を出すというキャリアも聞いたことがなかったので面白かったです。
また、ご本人は性同一性障害なども抱えてきた生い立ちがあるため一人も取りこぼさない政治の考え方も非常に参考になります。
>>【参考】「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」はコチラ
現代の思想家であり実践家であるスーパーマンですね
「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」の目次
本書は以下のような構成になっています。
はじめに
序章 功を奏したITによる新型コロナ対策
第一章 私をつくってきたもの
第二章 デジタル民主主義とソーシャル・イノベーション~誰もが政策に寄与できる社会
第三章 ITは教育をどのように発展させるか~プログラミング思考を身につける
第四章 AIが開く新しい社会~デジタルは人のためにある
第五章 日本へのメッセージ
「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」本書より
日本人に向けた内容が随所にあってとても読みやすいね
本書で押さえるべきポイント
本書は天才といわれるオードリー・タン氏の生い立ちから記載があるため色々な角度で学びがあります。
特に面白いのが彼は中学は中退しており、シリコンバレーで起業したのちに政府機関にいく一風変わったキャリアです。
その中でも特に押さえておくべきと感じたポイントは下記の3点です。
- オードリー・タンとはどんな人物か
- デジタル社会で必要なこと
- 今後の教育で大事になること
順にふれていきます。
オードリー・タンとはどんな人物か
オードリー・タン氏とはどういう人物なのか。
これは幼少期の時から遡って記載があります。
特徴的な点を記載していきます。
ギフテッドな幼少期
まず、氏がどんな人物かだったかというと、一言で言うと知能が高すぎで浮いた存在になっています。
いわゆるギフテッドというやつですね。彼は当時
「なぜ学校は分かることしか教えてくれないのだろう」
ということで学校で知的好奇心が満たせない点が大きな悩みだったようです。
特に”すげぇな…”と思ったのが、小学校の授業でのやりとりです。
「1+1は2になりますが…」
と、何気なく話した先生に対して、彼は
「それは10進数を前提にしており、2進数を前提にした場合、答えは変わります」
という発言をします。こんなことを言う小学生がいたらビビりますよね。
この件で、先生もこの子に
「通常の授業に強制参加させるのはこの子に申し訳ない…」
と考えて授業中に読書OKという特別許可をします。
彼としてはこの対応に理解をしつつも、集団から外れた孤独感も同時に感じたというのが印象的です。
その後にギフテッドの子たちが集まるスクールに転校します。
個人的にこの先生の判断は素晴らしいなと思いつつも、しこりが残るから指導むずいよなーとも感じます。
自身のキャリアとコロナ対策の成功
その後にプログラミングを独学で学び、シリコンバレーにて起業をします。
そこで色々な成果を出したのちに、次にそのキャリアや経験を活かして政府側の人間になります。
抜擢人事で、デジタル担当の今までの最年少の政務委員になります。
ここで、彼はオープンイノベーションを起こし、コロナ禍でも多くの成果を出し世界的な注目を浴びます。
その成功した活動の一例が「マスクの集中管理」と「マスクマップ」の取り組みです。
<マスクの中央管理>
まず、台湾では個々人のマスクの購入履歴などを中央管理したようです。
このやり方は日本でいうところのマイナンバーにマスク購入履歴を紐づけて集中管理するというものです。
買いだめするなど一部の人にマスクが偏るのを防ぐというアプローチですが、民主主義国家においては、通常こういうことには反発があるはずです。
ただ、これを彼は実際にやりきって成果を出すわけです。
「どうしてそんな芸当ができるのか?」
それは、彼ならではの卓越したセンスと実行力によるところが多いです。
例えば、国民にメリットがあることを単に発信するのではなく、ユーモアも交えながら認知を広めてバズらせることを意図して展開しています。
ユーモアはルーモア(悪い噂)を超えるという合言葉は行政職には恐らくあまりないマーケター的な発想だと感じます。
また、徹底的に情報や意図をオープンにして、国民との信頼関係をつくれれば、中央管理のやり方も有効に機能するという見解も示しています。
<マスクマップの仕掛け>
上記に加え、マスクマップという取り組みでオープンイノベーションを行います。
これは彼の経験から、エンジニアは便利なツールやアプリを自発的に作ることはわかっていたためこのエンジニアの特性を利用します。
元々、この取り組みを始まる前、すでに市場では”マスクマップ”に類するマスクの在庫管理を見える化したアプリが人気で流行っていることを知り、手を打ちます。
それは何かというと、政府としてもつ情報のオープン化です。
通常、個人が持つデータは限定的で出来ることは限られておりますが、政府が使いやすいように無料でデータを公開すれば個人で出来ることは一気に増えます。
彼は、情報をオープンにして、この情報を使ったアプリ開発者(シビックハッカー)と連携することでスピード感をもった開発が可能になり、国民にも良い影響を与えられたと言います。
つまり、スピード感もった課題解決を官民で連携して達成することで国民の信頼を得て、好循環にしたということです。
事実、これらの取り組みでコロナの抑え込みを他国以上に成果を出すという偉業を達成しています。
少数派の意見の尊重と対話の重視
オードリー・タン氏は、前述の通り、天才すぎるからこその孤独感を幼少期から抱えます。
さらに、氏は、性別としては男性として見られるものの、頭の中は女性であるという性同一性障害も抱えます。
それゆえ、LGBTなどの少数派の苦しみを当事者視点でよく理解しているため、そこへの考え方も非常に強いです。
特に彼の考えの中で、なるほどと感じたのが手法としての対話の重要性です。
何かというと、少数派の意見を組み込むやり方としては対話の場を設けて、それぞれの意図を理解しかつその時々で必要な形にアップデートできるという考えです。
例えば、デモなどが起きた場合は、伝えたい強いメッセージ・主張がある小集団が現れたと捉えます。
そしてデモを対話のきっかけとして考えて、相手の視点で何をどうできるとより良い打ち手になるかヒントを模索するという考え方です。
これは中々やろうとおもって出来ることではありません。
また、彼は、官も民も、分け隔てなく組織の目的は同じと説いています。
どちらも、身の回りの課題解決をするために顧客(国民)のニーズを引き出し、流れ(トレンド)を押さえて打ち手をうつという使命があるというのです。
違うのは収益構造・ビジネスモデルの違いだけです。
この考え方にはめちゃ痺れました。
デジタル社会で必要なことってナニ?
ではAI時代に押さえなければいけないことは結局は何か?
本書を読んで感じたのは「世の中を見通す力」と、「AIの捉え方」の2点だと悟りました。
これらについて触れていきます。
世の中を見通す力を持つ
今後の世の中ではプログラマーやエンジニアが慢性的な不足になると言われています。
具体的には国内でも2030年では約79万人が不足するという予測がでています。
社会がデジタル化していくにあたり、それに伴うプログラミングを必要とする部分は増えていきます。
その時にこの社会のスピードに対して人材育成が今のままいくと追いつかず、エンジニア不足が年々、深刻化します。
この事実は至る所で言及されており、間違いなくくる近未来です。
また、PCのハードウェアも中身のソフトウェアもこの社会の変化のスピードに合わせて開発を進めないといけません。
この点、当然、プログラマー・エンジニアでも求められる資質がどんどん高度になることが想定されます。
そのため、プログラマー・エンジニア間での能力差による格差が広がることも懸念されます。
AIをどう捉えればいいか
では、上記の見通しがある中で、AIをどう捉えてどう使えばいいのか?
この点でも本書では答えになる考えがあります。
< AIは敵ではない味方である!>
AIという言葉が流行りはじめた頃、文脈としては
「AIが仕事を奪う!やばい!こわい!」
というものでした。
ただ、デジタルやAIの位置付けは
「仕事を奪う代替ツールではない!」
と本書では一貫して述べています。
むしろ、AIは今後必要なデジタルスキルを一挙に獲得できる武器だと述べます。
つまり自分たちの仕事を代替するのではなく、仕事をしやすくするエンパワーするものです。
この視点をもって、どう使いこなすかという視点が大事になります。
実際に素人の私でもPythonやGASなどでAIを使うことで日々の効率化や自動化などができています。
<1人1台ドラえもん時代>
書籍の中では日本の読者にわかりやすくする工夫が多くでていますが、デジタルツールはドラえもんみたいなものだという文言があります。
ツッコミどころ満載ののび太(自分たち)をドラえもん(AI)が状況を聞いて最適な打ち手を出して解決してくれるというのです。
ポイントはあくまで主体はのび太(自分たち)であって、うまくドラえもん(AI)の力を活用するということです。
事実、”ほんやくコンニャク”だって、すでに技術としては出来上がっており、おかしな話ではありません。
我々が求められるのはその使い方・ツールをうまく自分で使いこなす力が求められます。
そのためには、大人になっても日々の学習を怠らずに最新の知識やテクノロジーはしっかりと把握して使いこなすことが必要です。
自分にもあのドラえもんがついてくれると考えるとワクワクするね
今後の教育で大事になるコト!
今後の世の中で必要になってくることや教育についても本書では言及があります。
一貫して筆者はプログラミングなどの技術力を身につける以上に”美意識”や”教養”という土壌を育むことが今後は必要だと説きます。
では、これを踏まえてどう日々のアクションにつなげられるか、下記で2点について触れていきます。
①自分の好奇心を引き出す
とにかく、今後は社会に対して興味をもち、興味をもとに行動を増やすことが求められます。
この原動力になるのは、飽くなき好奇心です。そのため、今後の教育ではこの好奇心を如何に育てることができるかがポイントだと説きます。
教育で一番やってはいけないのは、この好奇心の芽をうばってしまうことであり、これをうまく醸成させてその芽を伸ばすことができるか。
これがプログラミング教育はもちろんのこと、全ての領域において重要になってきます。
好奇心を持つことは、当然大人になってからも必要です。
そのために、大人は言われずとも、自ら興味を広げるために読書などを通じて自分の興味を広げることが重要です。
②対話の場を増やす
好奇心を育み、そして教養を自らもっとも早く得ていくためには、色々なバックグラウンドの人と対話する機会を増やすことも有効です。
具体的には一つの組織に依存するのではなく、複数のコミュニティに身を置きながらも対話をする機会を意識的につくります。
例えば、町にある地域活動のイベントでも、サークル活動でも、政治活動でも構いません。
色々な価値観に触れ合うことで、自分の興味関心を深掘り、そして自分の考えを客観的に見つめ直すことができます。
これを意識的にすることで少数派の意見を組み込みながら、時代に合わせて自分もアップデートして必要なスキルを身につける土壌ができてきます。
まずは、周りのコミュニティで対話をする前に自分の考えや価値観の整理をしておくと学びも最大化していきます。
まとめ
上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点です。
▶️幼少期から才が秀でたギフテッド、IT起業から行政職へ
AI時代で押さえなければいけないこととは
▶️AI=ドラえもん、仲良くなって自分をエンパワーさせる
今後の教育で大事になること!
▶️教養と美意識が大事。好奇心を駆り立てる読書や対話が必要
以上です。
本書は、現代を生きるビジネスマンであれば、誰もが教養として読んでおくべき本です。
特に、デジタル化・AI化の定義や今後を見据えて今どういう考え方でどう立ち向かえばいいかを明確に押してくれます。
本書はAudibleに対応しており、スマホで倍速で読めば通勤の往復時間で数日で読み切れちゃいます!
ぜひ、他の書籍や手帳などのツールと組み合わせて自分の地肉にしていきましょう!٩( ‘ω’ )و
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ご精読頂きありがとうございました。
m(_ _)m
参考:おすすめ本×Audible活用
「他に押さえておくべきビジネス書はどれか」
と感じている人に向けて「これは押さえておくべき!」と感じる名著を下記にまとめています。
まずは何から押さえよう…と迷っている方は下記も合わせてご確認ください!٩( ᐛ )و
また実際にAudibleを使ってみて感じましたが「名著」×「ながら読書」は効率がめちゃくちゃ良くてメチャ良いです!
やり方を下記にまとめます!
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