さて、今回は”ドラクエ×キャリア”について言及していきます。
今後のキャリアを考えながら「何かが違う」と感じたことはありませんか?
私は大企業に就職しその後、営業職としてキャリアをスタートしましたが、2、3年たってから漠然と同じ職務を続けることに閉塞感と不安を覚えました。
その後に、リーダーにあがったり、職務が変わったり、出向したり、会社を跨いで兼務をしたり、と色々なことに携わる中で、この閉塞感や不安感の正体がわかりました。
また、この職業に伴うキャリアや能力向上は私の好きな「ドラクエの世界観」に似ているなぁと常日頃感じるので無理やりドラクエの世界観で整理します。
漠然としたキャリアの閉塞感・不安がある方や、ドラクエの世界観とリアル世界の職業に類似点ってあんのかよ、と興味をお持ちの方の、頭の中の整理ができれば幸いです。
目次
ドラクエとは?ドラクエにおけるキャリアの概念とは?
まず、今回題材にするドラクエですが、ドラクゴンクエストの略です。
今では、11まで出ているようですが、発売されたのは1986年です。(ちなみに私はドラクエⅢと同い年です)
どの作品も毎回新たな機能が実装されており、新しさがあり、今までやったことがある作品はもう一度やりたくなるようなストーリーも魅力的です。
ここで、一点特筆すべき点がドラクエⅢから導入された「職業・転職」というシステムがあります。
これは、シリーズによって少し仕様は変わりますが、文字通りプレイヤーの職業を設定するもので、好きにキャリアデザインできる機能です。
これによって何が起こるのかというと、覚える呪文や、伸びる能力がかわります。(例:魔法使いは、かしこさが高くなり、呪文を多く覚えるなど)
この要素があることでゲームの面白みも上がるのですが、現実世界との類似点や共通点が出来、色々と考察できるようになります。
そこで、今回はこのドラクエの世界にある職業・転職システムを中心にリアル世界の職業を考察します。
(余談ですが、私は特にドラクエⅥが好きなのですが、小学生の時には理解できなかったキャラクターの裏エピソードや考察がありググッてみると面白いです)
ドラクエの世界観での考察の視点
ドラクエ世界とリアル世界の共通点
さて、ドラクエの世界とリアルの世界ですが実は職業システム以外にも考察視点が多くあります。
例えば以下のような視点です。
- パーティーを組んで総合力で敵を倒していく
▷チームで協力して成果を出して競合に競り勝つ(リアル世界) - 強い敵を倒して経験値を貯めレベルを上げる
▷段々と難易度の高い仕事を任され成長していく(リアル世界) - 職業選択をして新しい呪文や能力アップをする
▷転職やジョブチェンジで仕事の幅を広げスキルアップする(リアル世界)
などなど
また、「レベル=年」と置き換えて考察することも出来ます。
例えばドラクエⅥを例にとると、レベル20(20歳)くらいになると中ボス(ムドー)を倒し職業選択(就活)が出来ます。
そしてレベル30(30歳)になると職業の習熟度も上がり上級職(昇格)が出来てパーティーの戦闘力がグッとあがります。
また、うまくやればレベル40~50(50歳)くらいでラスボスを倒してゲームクリアができます(ローン返済とか?引退とか?)。
こういったことを考察(というよりも妄想)しながらリアルの世界でのキャリアについて考えていきます。
ドラクエ視点でのキャリアの考察
ここで、冒頭に課題として挙げた「20~30代で感じる漠然としたキャリアの不安観とは一体何なのか?」について考えます。
これは、結論からいいますと、ズバリ
に起因します。
ここからドラクエの世界観で考察します。
ドラクエではゲームクリアする上で何が一番大事になるかというと、獲得する経験値がすべてです。
ゲームプレイがどんな下手でも経験値を稼げばレベルアップを図れて強くなり、ボスを倒したり次のステージにいけるわけです。
ただ、ここでポイントになるのはどうやって効率よく経験値を稼ぐかという点です。
今後、どんどん強い敵が出てくることが予想される場合、レベルがあがっていなければ当然勝てないわけでゲームオーバーになるわけです。
ここで、再度リアルの世界に戻して考えると、現在の経験値が少なく今後の成長が期待できない(レベルアップできない)場合、今後の世の中で対応できない(ボスに勝てない)のではないかと不安感になります。
この点、新人の時はゼロから色々学ぶことが出来てガンガン経験値があがるのですが、2、3年目になって慣れてくると経験値の増加を感じられなくなります。
つまり、慣れてきて同じことが増えたりルーティーンの業務が増えると
『このまま同じことをやり続けていて何が成長するのだろう』
という漠然とした不安が芽生えます。
ドラクエの世界観で考えると、ずっと同じエリアで同じモンスターと闘っていて
『レベルが上がりにくくなる(効率が悪い)』
という状態に近いです。
同じことをやり続けて学んだり得るものもありますが、職務が変わったり環境が変わったりしない限り得られる経験値の量に差が出ます。
そうなると、とるべき戦略の選択肢は2つです。
- 順当に昇格して領域を増やす
- 転職(社内でも社外でも)して領域を変える
ドラクエの世界観でいえば、次の経験値があがりやすい次のフィールドに移動して経験値を伸ばしやすくするといったイメージです。
では、経験値をあげていった先にどんな能力が上がるのか?そしてどの職業につくとどんな能力があがるのか?
この視点について考察を深めていきます。
ドラクエの世界観で能力を考察する
ドラクエの世界での能力とは
まず、職業や転職について言及する前に基本となる能力について整理します。
ドラクエでは主に以下のような能力パラメータがあり、経験値をあげてレベルがあがるごとに段々と数値が上がります。
例えば以下のようなパラメータが存在します。
ではこれを現実世界で置き換えるとどうなるのか?
以下に言及します。
リアル世界での社会人の能力とは
これをリアル世界の社会人の能力と以下のように置き換えます
- HP(ヒットポイント)
▷ 体力・気力を示す値です。集中力を維持して長時間働くことが出来ます。 - MP(マジックポイント)
▷技術を活用する力を示す値です。最新の技術を使いこなすことが出来ます。 - ちから
▷営業力・説得力を示す値です。人を巻き込み、意思決定に影響を与えられます。 - まもり
▷バランス力を示す値です。嫌な人であっても上手く渡り合って平常心でいられます。 - すばやさ
▷連携力・調整力を示す値です。縦割り組織でも横断的な横連携の推進が出来ます。 - かしこさ
▷企画の筋の良さを示す値です。面白い企画や商品を生み出すことが出来ます。 - かっこよさ
▷見た目・知名度を示す値です。社内外から連絡やオファーが来たりします。
ツッコミどころ満載ですが、一旦ここは、こういうもんだと割り切って次の職業について考えます。
ドラクエの世界観で職業を考察する
ドラクエの世界での職業とは
さて、前述した能力の対応表を前提にして職業についても考えます。
今回は私の好きなドラクエ6で考えます。
ドラクエ6では最初につく職業は主に以下の4つがセオリーです。
- 戦士
→HPと力が高く、チームの最前線で戦うアタッカーです。 - 僧侶
→MPと守りが高く周りを補助する呪文の多い、補佐役です。 - 魔法使い
→MPとかしこさが高く、後方から色々なタイプの補助・攻撃を行います。 - 武道家
→力と素早さが高く、先制して攻撃するなど先手をとります。
初めてドラクエをやった人などは恐らくこれらの職業の組み合わせでスタートしていき、冒険の途中で他の特殊な職業についたり、上級職業に格上げしたりして成長します。
ちなみにその他の特殊な職業や上級職としてはこういったものがあげられます。
- 商人
→お金を稼ぐ能力がある - 踊り子
→敵を魅了したりする - 盗賊
→たまにものを盗む - 魔物マスター
→敵を仲間にできる - 遊び人
→無駄な行動が増える
- バトルマスター
→戦士と武道家を極めるとなれる。体力とHPに特化 - 魔法戦士
→戦士と魔法使いを極めるとなれる。体力と力が高く呪文も使える - パラディン
→武道家と僧侶を極めるとなれる。ほどよくどの能力も高い。 - 賢者
→魔法使いと僧侶を極めるとなれる。呪文をなんでも覚える - レンジャー
→盗賊、魔物マスター、商人を極めるとなれる。戦闘外の便利技をいっぱい覚える。 - スーパースター
→遊び人と踊り子を極めるとなれる。コスパよく急に強くなる
さらにストーリーを進めていくとこの上位職のさらに上位の職業が表れて転職することが出来ます。
ラスボスを倒す時は下記の職業についているとそこそこのレベルでもゲームクリアをすることが出来ます。
- 勇者
→上記の上位職を3つマスターするとできる。全能力が高く万能。 - ドラゴン
→特別な条件を満たすとなれる。どの能力も高くHPと力が異様に高い。 - はぐれメタル
→特別な条件を満たすとなれる。使い勝手が悪いが育つと無敵状態になる。
ちなみに、ゲーム内で使いやすい(万能型な)のは勇者とドラゴンです。
つまりドラクエ6は如何にしてこの職業に早くつけるかどうかがストーリーを攻略する上ではカギになってきます。
リアル世界での職業・職務とは
さて、ではこれをリアル世界での職業と比較するとどうなるのか。
能力の時と同様に考えます。
- 戦士
→営業職:気力と体力と説得力がとても伸びる。企業戦士の代表格。 - 僧侶
→事務・企画職:他の職の補佐や全体の仕組み・基盤を整える。 - 魔法使い
→技術職:新たな技術を学び実装したり活用したりできる。 - 武道家
→マーケ・戦略職:関連者を説得して企画を立てたり連携推進を担う。
また、無理やり特殊職も繋ぎ合わせるとこんな感じかなーと思います。
- 商人
→経理・財務職:お金に関する専門知識を独自知識を得られる。 - 踊り子
→アーティスト:独自の強みを磨いて自らに注目されやすくなる。 - 盗賊
→研究開発職:業界トレンドや先端知識など独自知識を得られる。 - 魔物マスター
→総務・人事・先生職:人を雇ったり育てたり、労務管理等の独自知識を得られる。 - 遊び人
→フリーター:自由に時間を使って好きなことを極められる。
同様に上位職を考えるとなんらかのマネジメントをする層になると考えられます。
- バトルマスター
→営業系管理職:トップダウンのマネジメント経験がつめる。 - 魔法戦士
→商品系管理職:関連部署の知識を得ながらマネジメント経験がつめる。 - パラディン
→戦略系管理職:経営視点を学びながらマネジメント経験がつめる。 - 賢者
→技術系管理職:最新技術を学びながらマネジメント経験がつめる。 - レンジャー
→特殊系管理職:より専門知識を深めながらマネジメント経験がつめる。 - スーパースター
→個人事業主:自分の独自性で自分ならではのマネタイズができる。脱サラできる。
多くの場合、上記の中間管理職(上位職)について経験をつみ、更にその上となると以下のようなキャリアかと思います。
- 勇者
→経営者:組織全体を俯瞰して組織経営の経験が積める。 - ドラゴン
→海外事業者:世界の動向を学びながら、国内外の対比・俯瞰視点がもてる。 - はぐれメタル
→VC・投資家:人や金を動かし、大金を得る仕組みが持てる。
このどれかしらで経験値を積み、一定の能力を得たら、あとはそのスキルと経験だけで、残りの人生もくいっぱぐれることがない状態になると思います。
そのため、人生のゲームクリアをするためには、ここに早くタッチすることが近道な気がします。
リアル世界の職業をドラクエの世界観で考察する
ドラクエの世界観で職業を考察
では上記を踏まえて、更に考察します。
まず、総合職の場合、恐らく上記の基本職にあてがわれることが多いと思います。
具体的には下記のようなものです。(何となく絵にしてみました)
基本職業の考察(営業)
営業の場合は、シンプルにHP(打たれ強さ)と力(説得力)がぐんぐん伸びます。
また人を説得する過程で根回し力やプレゼン力や段取り力なども培われると思っており、この能力はその後どのような職種になっても汎用性が高いと思います。
基本職業の考察(事務・企画)
事務・企画の場合はMP(情報活用力)とまもり(バランス力)が伸びる気がします。
各種ツールを使いこなして営業バックアップや基盤の体制を作り底上げをするスキルが上がると思います。また場合によってはお局の機嫌をとったり社内の雰囲気に合わせたりなどのバランス感が求められたりします。
基本職業の考察(技術・開発)
技術・開発職の場合はMP(情報活用力)とかしこさ(企画力)が伸びる気がします。
色々な技術を学びながらアウトプットしつつ、それをビジネス向上のためにどう生かすかといいう視点が求められるため、実装力と企画力の両面が育つと思います。
基本職業の考察(マーケ戦略)
マーケ・戦略職の場合は力(説得力)とすばやさ(連携力)が伸びる気がします。
組織横断的な計画を作ったり、俯瞰してそもそもの計画などを立案する経験は社内の調整をしたり説得をしたり巻込んだりする力が養われると思います。
リアル社会の具体例で考える
私の身の周りの例
ちなみに、私のキャリアで言うとこんな感じです。
割と珍しいキャリアアップの仕方だと思います。
周りを見ていると戦士(営業)を続けていると順当にいけば、バトルマスター(営業系管理職い)になるケースが多いです。
ただ、私の場合は根回しという手段を使って斜め上に上がれたというのは中々良いキャリアアップでした。
というのも、私はこれ以上、HP(気力)・力(説得力)を鍛えるのではなくMP(技術活用力)をあげながらマネジメント経験を踏みたいと思っていたので意図した形になっています。
そのため、戦士(営業)を続けながら悶々としている人はどの能力を伸ばしたいのかを見定めた上で、まずは社内での転職先(特に上位職)を検討することを強くオススメします。
そしてここで、上位職についた場合は、さらに先のキャリアとしてどこを目指していくべきなのでしょうか。
今後の世の中を生き抜くことを考えた場合、狙っていくべきなのは以下の3つです。
狙うキャリアその1 勇者ルート
→いわゆる会社でいえば出生ルートです。
ただ、単純に大企業などで社長は非現実的だと思うので、今後狙うとしたら以下3つです。
- 大企業での社内起業のキャリア
- 中小企業での取締り・経営幹部のキャリア
- ベンチャーで起業のキャリア
これのどれかを5年後10年後のゴールに据えるのは現実的だと思います。
狙うキャリアその2 ドラゴンルート
→次に考えるのが海外駐在しながらの事業従事経験をすることです。
これも色々のやり方があると思いますが現実的なのは以下3つ
- 大企業での海外新規事業のキャリア
- 海外売上比率の高い業種への転職(商社等)
- 海外に引っ越して仕事探し
一般的なビジネスマンなら1つ目か2つ目が妥当ラインです。もしも社内にその手の制度があるなら、利用者のヒアリングと必要条件の対策(TOEIC等)といった動きになるはずです。
狙うキャリアその3 スーパースタールート
→いわゆる副業で大成させるルートです。
その後もこれで食っていくことを考えると、ある程度の実績を出してその後も収入が期待でき、かつ横のつながりも増えた時点で、脱サラして個人事業主化する動きになると思います。
脱サラしてかつ安定収入があるのであれば、その他の収益化に向けた準備や勉強などにもガッツリ着手が出来ると思います(投資家としてのはぐれメタルルートなど)
理想に近づくために必要な条件
上記の3つのキャリアはどれも魅力的なキャリアですが、それぞれ下記の条件が必要です。
- 勇者ルートで必要な条件
▷社内で成果・実績を出して権限を持つ(人事評価) - ドラゴンルートで必要な条件
▷社内に海外駐在のパスがあり条件をクリアする(TOEIC等) - スーパースタールートで必要な条件
▷自分でマネタイズする経験や知識がある(副業で成果)
ただ、この理想のゴール状態は、現在どの職種であっても、
『いずれこうなって見せる!』
とゴールイメージとしてもっているだけでその後のキャリアやそれに向けたとるべき行動が見えて来ます。
私の場合、今後10年のうちに上記のドラゴンルートを経由し、勇者かスーパースターどちらかのキャリアを取る計画です。
そのため、まずは今の魔法戦士(商品系管理職)の経験を積みながら
ドラゴン(海外駐在)の条件を満たすべく、今年から英語の勉強も本格化しようと思います。
(海外というフィールドは環境が激変するのでストレスが強く経験値がめちゃ高いはずです。海外駐在=メタル狩りみたいなものだと思っています。)
まとめ
今回考察したのは以下の点になります。
- 漠然とした不安の正体
▷経験値不足によるボスが倒せない(社会対応できない)ことへの恐怖感・焦燥感 - ドラクエの能力と職業の対比
▷上位職にいくほど能力アップが高く、自分の伸ばしたい能力に合う職につく必要性 - ドラクエ視点での現実世界の考察
▷会社員こそ勇者・ドラゴン・スーパースターのキャリアを目指すのが得策
上位職につければ効率よく能力向上をさせる側面がある一方で、同じ職に居続けた場合は能力の伸びが鈍化する可能性があることには注意が必要です。
また、今後の世の中を考えるとどの職種でもHP(体力・気力)だけでなくMP(情報活用力)が高いかどうかも見定められるようになる気がしますし、求められる力は複雑化していきます。
30代からはどの職業でレベルアップをして、どう能力アップを図り、どうゴールを目指すか、自分ならではのサクセスストーリーを思い描く力がより求められます。
その点、ドラクエ経験者であればドラクエの世界観にもしも自分がいたらと妄想しながらどんな職業になりたいかを考えると次とるべきキャリアが見えてきます。
ご精読頂きありがとうございました!
m(_ _)m
その他、キャリア・スキルに関して
今までの業務・キャリアを通じて分かってきたスキルアップに関するTipsを整理して積み上げていきたいと思います。(‘ω’)ノ
ースキルの分類・活用方法に関してー
【実践】スキルを使いこなす『メタスキル』の分類方法とその活用
ースキルアップのポイントー
【社会人1年目】新人時代に抑えると得するスキルアップ・ポイント
▷HPとは体力の最大値を示す値です。これが戦闘中に減ってゼロになると死亡します。
▷MPとは呪文を使うのに必要な魔力の最大値を示す値です。戦闘中に呪文を使うごとに減ってゼロになると呪文がうてなくなります。
▷攻撃力を示す値です。戦闘で敵に与えるダメージが高くなります。
▷守備力を示す値です。戦闘で敵から受けるダメージが小さくなります。
▷行動の速さを示す値です。戦闘で攻撃するまでの速さや敵の攻撃からの回避力があがります。
▷呪文の強さを示す値です。戦闘で呪文を使った際の効力が上がります。
▷好感度を示す値です。ストーリーを進める上でゲームクリアのために一定の値が必要になります。