【要約 | 本田宗一郎 夢を力に】モノづくりのプロフェッショナルとダイナミズムとは

ワタシ

ども、らーにゃです。今回は「本田宗一郎氏の伝記」について言及したいと思います。

モノづくりをする際に大事にするべき点は何か?

ジャパン・アズ・no1と言われた高度経済成長期に一気に日本が世界的な経済大国に変化を遂げたことは分かります。

ただ、日本はモノづくり大国として世界的に有名ですが、何がそんなに優れていてどうすごいのかは、意外と分からなかったりします。

特に、第一線で頭角を出した日系大企業はどんな想いでどんなことを大事にしながらどう飛躍をしたのか?

この視点で、本書では2輪で世界1、4輪でも世界的なメーカーとなっている世界のHONDAを創り上げた本田宗一郎氏の生涯を記した伝記です。

モノづくりをする人ととしての考え方、起業家としての熱いマインド、そして日本人としてのアイデンティティなどとにかく学ぶことが多いです。

今後どんな働きをしたいのか、日本人として参考にすべきベンチマークするべきモデルを探している人などには一読いただきたい本です(‘ω’)ノ

今回オススメしたい書籍

「本田宗一郎 夢を力に」の概要

HONDA創業者である本田宗一郎の自伝です。

前半は生い立ちから創業までのサクセスストーリーを私の履歴書の内容を元にまとめられており、その後の後世の生き方を後半は記載されています。

一読してみて思うのは、豪快かつ人間味があって職人気質の泥臭く夢のあるおっちゃんのお話という感じです。

エピソードの一つ一つが、お偉いさんにも国にも迎合せずに、反骨精神丸出しで己の道を行く姿が読んでいて清々しいです。

良くも悪くも、日本人のカリスマってこういう熱くて人間味のある人のことをいうんだろうなーと思うのと同時に、夢を持ってカタチにするヒトってカッコイイなーと純粋に思えます。

個人的にはこういう熱くて豪快、かつ若干破天荒な人のストーリーは読んでいてワクワクするのでハマってしまい、ホンダ製品を買いたくなりました。

「本田宗一郎 夢を力に」の目次

本書は以下のような構成でまとめられています。

第一部 私の履歴書

 1 浜松在の鍛冶屋に生まれる
 2 自動車修理工場に見習い奉公
 3 若者と二人で「浜松支店」
 4 ピストンリング製造に苦闘
 5 バイクからオートバイ造りへ
 6 東京に進出、初の4サイクル
 7 借り着で藍綬褒章を受ける
 8 不況下に不眠不休で代金回収
 9 国際レースに勝ち世界一へ
 10 米国並みの研究費をつぎ込む
 11 社内にしみ渡る理論尊重の気風

第二部 履歴書その後

 1 疾風怒濤の十年
 2 F1への挑戦
 3 小型自動車に賭ける
 4 さわやかな退任
 5 もうひとりの創業者、藤沢武夫
 6 葬式無用

第三部 本田宗一郎の言葉

ワタシ

前半戦は2輪での挑戦、後半戦は4輪での挑戦という感じですね

個人的ポイント

上記に記載した通り、私の履歴書をベースにしたストーリー仕立ての構成のため、非常に読みやすいです。

前半も後半もワクワクして読めますが個人的には生い立ち部分から始まる最初の部分が面白く読めました。

特に個人的に印象的だったのは以下の3点です。

感銘ポイント
  • 生い立ちとモノづくり人の姿勢
  • HONDAの飛躍と世界での挑戦
  • 若さをエネルギーに変える力

順にふれていきます。

生い立ちとモノづくり人の姿勢

本書の内容はタイトルにもある通り、世界のHONDAを創り上げた本田宗一郎氏の伝記になります。

そのため、生い立ちから記載がなされているのですが、読んでみると幼少期の家庭環境や興味の範囲などを踏まえると、なるべくしてなった人だなと理解できます

具体的には、生まれが小さな工場で父親が修理工をしていたということや、当時は日本ではまだ一般的でなかった車・メカに興味があったなど

興味の対象が暮らしに密接していて、自由研究的に機械いじりが試せる環境だからこそ、その中で技術やコツも身に付いたのだろうと推測できます。

個人的に面白いなと思ったのが、15歳(つまり今でいう中卒)で「アート商会」なるところへ徒弟奉公に行って実質的な修行をしているということです。

つまり、未成年の時期に自ら自分の興味を見極めて、その興味を満たす環境に身を置くために、故郷を飛び出して自分で決断して実行をするわけです。

これがすごい!と思うのと同時に、この判断がこの歳で出来ることが、全ての始まりだと思います。

ちなみにHONDAのページでもこういう略歴は出ています。

■ご参考リンク(本田宗一郎の歴史)

その一方で自分のことを思い返すと、オンラインゲームにハマってクズみたいな生活をしていたことが思い起こされて悲しくなります。

ただ、身の回りにいる人をみていても、仕事でなく趣味の領域でもこの年齢くらいで没頭した経験があるとその領域は人並み以上みたいなことが良くあります

例えば、私の場合、大学時代にバンドサークルにいたのですが、「こいつの楽器の演奏力はすごい…」と思う人は大体このくらいの年齢の時に何等か経験して没頭経験があったりしました。

つまり、興味の見極め・没頭経験というのが非常に大事なわけです。

そうすると、わが子たちにどんな経験をさせるべきなのかという点でも色々考えさせられました

今であれば海外にいくでも、中卒で働くでも、色々なやり方がありますし、興味分野に没頭して、その結果、必要になった座学の知識を必要に応じて身に着けるのが一番合理的です。

実際、本田宗一郎氏も大学にもぐったりなどのエピソードがありますが、知識の習得は本来かくあるべきと思わされる内容です。

ワタシ

比較しても悲しくなるだけですが、自分の没頭経験を考えるとeスポーツ選手になるのが良かったのかと思ったりします。

HONDAの飛躍と世界での挑戦

そして何よりも世界のHONDAのすごいところ、カッコイイところはココです。

まだまだ世界で戦えるような状態でない中でも果敢に世界に挑んでいくという姿勢とやり抜く力です。

ここがまさに、タイトルにある「夢を力に」というのがバッチリはまります。

マン島TTレースのサクセスストーリーは誰でも胸が熱くなるような内容で、

参加初年度は、財政も厳しく、何の意味があるんだ?と社内外から思われているところからスタート

やる気のある若者を巻き込み、勝算が全くない中でも極貧の資金計画でがむしゃらにトライする。

勝つ見通しがないのでとにかくどこのチームよりも早くに現地入りして休みなく試行錯誤の日々

地元紙にも「夜中のねずみのように動いている、日本人は生産性が低いからだろう」と書かれる始末。

そんな中でも、パーツ一つ一つの質は低くても、コアになるエンジン部分の強みを生かし、データも収集しながら強豪相手に大健闘

トップ5には入れないものの、団体で見ると一位で、チーム賞なるものを獲得する。

その後も、現場で培った経験と世界一になるという執念で、会社の中に自由研究の別組織を立ち上げて、その後も試行錯誤をします。

そして、参戦して3年目にして、世界のマン島TTレースにて1・2・3位を独占するほどの圧勝状態にまでもっていき、実際に夢をかなえます

その後は、もう想像できる通り、世界でのHONDAの認知が進み、綿密な販促計画と共に地元の小さな工場だったHONDAが2輪で世界トップメーカーへと一気に駆け上がります。

これを実現するために、銀行からの資金や優秀な人を他から引き抜くみたいなことではなく、若さと夢だけで泥臭くがむしゃらにやり抜く

このスタンスと実際にやり抜く実行力が本当にワクワクするのとともに、イマの自分が自分で限界を作っていないかと考えさせられます。

日本人のジャパニーズドリームとはかくあるべきということを示す一つの大きな成功事例です。

ツマ

ビジョンの力と若さのエネルギーって何にも代えられないよね

若さをエネルギーに変える力

では、最後にこれです、なぜ、上記のような熱くカッコイイHONDAの文化が出来たのか。

これは特に解説がでていたわけではないのですが、個人的にコレが大事なのではないかなと思ったことのポイントをまとめると以下のような点かなと感じます。

若さをエネルギーに変えるポイント
  • こうなるんだ!という明確かつ強烈なメッセージを伝え続ける
  • やる気を大事にして、そこに対してはトップ肝入りの特別な環境を作る
  • トップが現場の細かなところまで理解ができる素養・経験がある

これは完全に私見です。どうしてここまでの成功を収める企業文化が出来たのか個人的な意見を記載します。

ポイント①:強烈なメッセージの発信

1つ目の内容は誰もがそうだろうと思うような内容だと思います。

このビジョンを作って示し続ける(うざいと言われても一方的に言い続けて染め上げる)ことが出来ないとここまでのことは成し遂げられません

なんらかの原体験・強烈なエピソードに基づいた、ビジョンが必要なのだと思います。

ポイント②:トップ肝入りの特別な環境づくり

そして2点目ですが、これは良い意味での例外を作ることです。

色々な企業でも○○研究所みたいなものがありますが、どれだけトップの肝いりとして本気でやれるのかがポイントになります。

そして、この環境にやる気がある人を束ねられるのか、ここが大事なのだと思います。(HONDAの場合はやる気ある20代を終結させたことです)

これまた私の感覚ですが、「両利きの経営」における新規事業の成功パターンに近いものを感じます。

記載の仕方は違いますが、本質的には似ているような気がしており、HONDAにおけるマン島TTレースの事例はこの観点で分析してもなぜうまくいったのかが説明できるのではないかと感じます。

>>参考リンク「両利きの経営 | 要約:新規の事業を成功させるポイント」

ポイント③:トップの現場の専門知識の理解

そして3点目が、トップの専門知識についてであり、個人的には実は3点目が一番大事な気がしています。

何かというと、現場のことをあまり分からずに数字だけみて経営をしても会社全体が盛り上がらないと思うからです。

HONDAにおいてはトップの本田宗一郎氏が超優秀メカニック・職人であるからこそ、現場の焚き付け方も指導の仕方も心得ているからこそ、熱いメッセージを従業員にとって刺さる形で発信ができるわけです。

これが、技術も何も分からない人がどんなにいい事をいって、仕組を整えてもおそらく焚き付けられないだろうなと思います。

これを現実世界で考えると、オーナー企業の飛躍も説明できるかと思っており、ファーストリテーリングの柳井氏や楽天の三木谷氏などは当然現場感覚をもって全体の指揮をとるので外さないのだろうなと思うわけです。

あとは別視点でいうとSONYのV字回復の立役者の平井元社長なども、SONYの生え抜きながらエンタメ・ゲーム系の責任者もつとめてトップになっているところがポイントなのだろうと思います。

全方位的に経験して理解ができるからこそ、縦割りの社内のセクショナリズムを全体のビジョンで一つにまとめてうまく価値融合ができのだと感じます。

そう考えると、トップの現場感覚の有無が何よりも大事なわけで、よそから引っ張ってきただけでは圧倒的な成果はでないだろうというのが読んで思った感想です。

ワタシ

自分の事業を自分のコトバで自分の経験も活かして周りを巻き込むのが大事なわけですね

まとめ

上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点です。

感銘ポイント
  • 生い立ちとモノづくり人の姿勢
    ▷中学生くらいの時の興味と没頭経験がプロフェッショナルの基礎に
  • HONDAの飛躍と世界での挑戦
    ▷何もないところから夢と若さだけでがむしゃらにやり切る
  • 若さをエネルギーに変える力
    ▷トップの原体験や現場感覚に基づく熱いメッセージが必要

とにかく読んでいて熱くなれる本です。

日本製の商品がなぜ世界で有名になっているのか?どうして無名のところから一気に駆け上がったのか?

日本人として、世界で戦うためにはどうすればいいのか、また仕事に夢中になるとはどういうことなのか、

そんなことが分かる本です。

これはくすぶっている社会人は勿論のこと、働くってどんなことなのか?ということを漠然と考える、中学・高校・大学生の人にも読んでもらいたいなと思います。

働き方的には客観的に見てウーンというところも多々ありますが、何よりも仕事の醍醐味、ダイナミズムを学ぶ本としてはうってつけです。

サクッと読める本なので、ちょくちょく見返して自分を奮い立たせ行きましょう(‘ω’)ノ

ご精読頂きありがとうございました。
m(_ _)m

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